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2022/06/27調査レポート

値上がり拡大 店頭販売価格の高騰は食品中心に広がる

2020年に比べ、キャノーラ油1.5倍、マヨネーズ1.2倍、小麦粉約1割高 
レギュラーコーヒー、スナック菓子などの嗜好品にも影響が

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)をもとに、原油や原料費の高騰が続き日用消費財メーカーなどが商品の値上げを発表する中で、生活者がどのような影響を受けているのか、実際に購入をする店頭販売価格の値上げについて調査しました。

[ポイント]

  • 昨年中頃から見えてきた値上げは、今年5月に入って拡大の様相。一部高騰商品は回避の動きも

  • 値上げの動きが出始める前の2020年平均に比べ、5月はキャノーラ油(150%)、サラダ油(128%)

  • マヨネーズ(120%)、醤油(111%)、砂糖(110%)と、他の調味料にも値上げが広がる

  • レギュラーコーヒー(116%)、スナック菓子(106%)と嗜好品も値上がり、日用雑貨は値上げの予兆も

図表1

20220627_01_fig.png

データ:SRI+ 集計期間:2021年5月-2022年5月、指標:平均価格・2020年比較
※食パンは1斤あたりの個数単価、そのほかは容量単価で2020年の平均価格と比較
※2020年比105%以上を赤字で表示

食用油の価格上昇は止まらず。醤油、砂糖など他の調味料にも値上げの波が

原材料や各メーカーなどの相次ぐ値上げ関連のニュースが連日出てきている2022年。5月に入り、実際に生活者が商品を購入する店頭価格にも、その影響は広く出てきていました(図表1)。食用油の値上げは昨年中頃から続いていましたが、ついに今年5月にはキャノーラ油が、値上げが本格化する前の2020年平均に比べ1.5倍まで高騰しました。サラダ油も128%、食用油を材料にするマヨネーズも120%と大幅な上昇となっています。
さらに同じ調味料では醤油が111%、砂糖が110%、ケチャップやジャム・マーマレードも105%。日々の食卓と切っても切り離せない調味料値上げの広がりは、日常生活に影を落としそうです。

値上げに生活者の行動は?高騰キャノーラ油の販売容量は4分の3、代わりに売れたのは

それでは値上げに対して、生活者はどのように反応するかを見てみましょう。2020年に比べて1.5倍も高くなっていたキャノーラ油ですが、今年5月には前年同月と比べて、販売容量が74%と4分の3ほどに減少していました(図表2)。やや値上がりが緩やかなサラダ油は145%と大きく数字を伸ばし、価格が高めだが体に良い機能を前面に押し出しているこめ油も、昨年5月からずっと130%以上と好調を維持しています。比較的安価で価格の優位性があったキャノーラ油が値上がりしたときに、どうせお金を多く払うならと一部の人たちは、健康訴求しているものなどにシフトしている姿が見て取れます。
過去にはアルコールでも酒税の変更でビールが値下がり、発泡酒が値上がりしたときなどは、価格が少し高くてもビールにシフトした人たちがいるなど、価格の変化は売り上げに影響を与えることは多そうです。

図表2

20220627_02_fig.png

データ:SRI+ 集計期間:2021年5月-2022年5月
指標:1kg当たり平均価格(税別)、前年比・販売容量
※前年比105%以上を赤字で表示

主食や嗜好品にも値上げが広がる。生活雑貨は、まだ大きな影響は見えていないが…

調味料の他にも輸入小麦の値上がりなどで、小麦粉(109%)、食パン(107%)、スパゲッティ(108%)の値上がりも続いています。さらにはレギュラーコーヒー(116%)、スナック菓子(106%)と嗜好品も店頭価格は上昇、畜肉ソーセージ(103%)や豆乳(104%)も値上げの動きが見え始めました。主食からおやつまで広範囲で食卓は圧迫されてきているようです。
生活雑貨ではシャンプー、ヘアーリンス、歯磨き粉なども店頭価格は上昇していますが(図表3)、コロナによるおうち時間の充実やセルフケア需要の高まりなどで、高価格帯のものが売れていることが主な要因になっています。同じくトイレットペーパーは通常タイプより1巻が長い長尺タイプが売れたことでの値上げが主ですが、同じ製品内でも一部で価格が上がり始めるなど、価格上昇の足音は聞こえ始めています。
生活雑貨は4月にメーカーの値上げ表明が続き、今後も原材料高、そして世界的なサプライチェーンの混乱なども続く可能性が高いことを考慮すると、さらなる値上げの広がりも予想されます。
インテージでは、今後も生活に直結する店頭価格の動きなどについて随時公開していく予定です。

図表3

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データ:SRI+ 集計期間:2021年5月-2022年5月、指標:平均価格・2020年比較
※歯磨き粉・歯ブラシ・子供用紙おむつ・ティッシュペーパー・トイレットペーパーは個数単価、そのほかは容量単価で2020年の平均価格と比較
※ティッシュペーパーはボックスタイプ(保湿除く)
※2020年比105%以上を赤字で表示


使用したデータ/関連プラットフォーム
【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo.1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。

SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません

※12022年6月現在


株式会社インテージ

株式会社インテージは1960年に創業。世界11の国と地域に拠点を持ちマーケティングリサーチ/インサイト事業でアジアNo.1*のインテージグループを牽引し、国内外の企業・団体のマーケティング活動をトータルサポートしています。
「生活者理解の深化」と「データ活用の高度化」により顧客ビジネスの未来創造を支え、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」という事業ビジョンの実現を目指しています。
*「ESOMAR Global Market Research 2021」ESOMAR's Global Top-50 Insights Companiesに基づく(グループ連結売上高ベース)

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