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2022/11/28調査レポート

止まらない値上げ、食料品の値上がり実感は8割超

2020年と比べキャノーラ油(184%)、マヨネーズ (126%)、スパゲッティ(118%)
カレーやレギュラーコーヒーなど加工食品・嗜好品も価格が上昇

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)をもとに、食品・日用雑貨など主な消費財を対象として店頭販売価格の値上げについて調査しました。
原油や原料費の高騰が続き消費財メーカーなどが値上げを発表する中で、生活者がどのような影響を受けているのかをご紹介していきます。

[ポイント]

  • 大幅値上げの食用油のほか、マヨネーズ(126%)、マーガリン(117%)などの調味料も値上がり幅拡大

  • 主食のスパゲッティや小麦粉が約2割増、加工食品・嗜好品なども約1~2割の値上がり

  • 値上がり実感は食料品8割、飲料5割、飲食店4割と6月時点よりも強まる

  • 食費の節約では、「ポイントカード・クーポンの活用」が3割を超え人気、菓子や外食を減らすも2割

図表1

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データ:SRI+ 集計期間:2021年10月-2022年10月、指標:平均価格・2020年比較
※2020年比110%以上を赤字で表示

値上げが拡大。調味料・主食だけではなく、加工食品・嗜好品などにも値上がりの影響が

サプライチェーンの混乱や原材料費の高騰などを背景として、10月にかけて各社の値上げ発表が勢いを増す中、値上がりがさらに拡大していることが分かりました(図表1)。生活者が実際に商品を買うことになる店頭販売価格で、顕著な変化を見せているのが調味料。中でも食用油では、相次ぐ値上げにより10月には本格的な値上げ前の2020年平均に比べてキャノーラ油が184%、サラダ油が138%に達しました。マヨネーズ(126%)やマーガリン(117%)もじわじわと値上がりが続いています。一方、醤油やソースでは8月をピークに10月にかけては値上がり幅が縮小する動きも見られました。生活者の節約志向が強まる中、低価格なPB商品や特売品を買うなどして、生活者が値上げの影響を抑えようとしているものと考えられます。毎日の食卓に欠かせない主食でも、小麦粉(119%)やスパゲッティ(118%)が約2割増にまで到達しました。輸入小麦価格の高騰が家庭の食卓に大きなインパクトを与えていることが分かります。加工食品のカレー(111%)、嗜好品のレギュラーコーヒー(123%)、菓子類のスナック(114%)と、値上がりの影響が広がっていることが見て取れました。

値上げに対する生活者の実感は? 食料品の値上がり実感は8割超に

では価格高騰が続くなか、生活者はどのような実感を持っているのでしょうか?全国15歳から79歳の男女約3,000人を対象に実施した調査結果より、値上がりを感じているものについて見てみましょう(図表2)。11月調査で最も回答が多かったのが「食料品」で、6月より5ポイント増の82%と、8割超の人が値上がりを感じていました。続いて、「電気・ガス・水道などの公共料金」(63%)、「日用品・消耗品」(58%)、「ガソリンなど各種燃料」(54%)と高くなっています。また、「飲料」「飲食店」「アルコール飲料」では、値上がりを感じたという回答が6月よりも10ポイント以上増加しました。食料品に限らず、飲料や飲食店でも値上げが実施されており、値上がりの実感が強くなってきているようです。

図表2

20221128_02_fig.png

データ:With コロナ マンスリー調査(全国15-79歳) サンプルサイズ:<6月>n=3,111 <11月>n=3,109

食費節約の取り組みでは、「ポイントカードなどの活用」が最多の41%。外食を控える動きも

次に、相次ぐ値上がりに対して、生活者はどういった食費節約の取り組みを行っているのかを確認してみましょう (図表3)。最も回答が多かったのが、「ポイントカードなどを活用」(41%)で、「クーポンを活用」(34%)、「チラシなどを参考に特売品を購入」(33%)と続きました。同じものでもできる限りお得に買おうと、買い物の仕方で工夫しているようです。また、「お菓子やデザートなどを控える」(20%)、「外食を利用する回数を減らす」(19%)の回答も多く見られました。支出を減らそうと、お金をかけるものを取捨選択している様子がうかがえます。

図表3

20221128_03_fig.png

データ:With コロナ マンスリー調査(全国15-79歳) サンプルサイズ:n=3,109
※調査項目20のうち、回答率が高かった上位10を抜粋

アルミホイルが約4割、ラッピングフィルムも1割と、一部の雑貨では顕著な値上がり

最後に、日用雑貨の値上がりについて見てみましょう(図表4)。日用雑貨は食品ほどの幅広い値上げの動きは見えていないものの、アルミホイルが5月から一気に高くなり10月には136%となっています。世界的な需要増に加えて、生産コストの高騰などが影響を与え、その波が家庭にも波及した形になりました。ラッピングフィルムも、10月に110%と急上昇しています。シャンプー、ヘアーリンス、洗濯用洗剤も2桁増と、日用雑貨でも徐々に値上げの動きが見え始めました。単純な値上げだけではなく、高付加価値化による価格上昇の影響もあるものの、今後もメーカーからの値上げが表明されている商品も少なくありません。今後は、雑貨でも値上げの動きが広がっていくのか注目されます。
インテージでは、今後も生活に直結する店頭価格の動きなどについて随時公開していく予定です。

図表4

20221128_04_fig.png

データ:SRI+ 集計期間:2021年10月-2022年10月、指標:平均価格・2020年比較
※2020年比110%以上を赤字で表示



使用したデータ/関連プラットフォーム
SRI+®(全国小売店パネル調査)
国内小売店パネルNo.1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。

SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません

※1 2022年11月現在

【With コロナ マンスリー調査】
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:「マイティモニター」より母集団構成比にあわせて抽出しアンケート配信
<6月調査>
標本サイズ:n=3,111、調査期間:2022年6月3日(金)~6月5日(日)
<11月調査>
標本サイズ:n=3,109、調査期間:2022年11月4日(金)~11月6日(日)


株式会社インテージ

株式会社インテージは1960年に創業。世界11の国と地域に拠点を持ちマーケティングリサーチ/インサイト事業でアジアNo.1*のインテージグループを牽引し、国内外の企業・団体のマーケティング活動をトータルサポートしています。
「生活者理解の深化」と「データ活用の高度化」により顧客ビジネスの未来創造を支え、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」という事業ビジョンの実現を目指しています。
*「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2022」に基づく(グループ連結売上高ベース)

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