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インテージフォーラム 2015 開催報告
~セッション 第2クール~

セッション:第2クール

 
Y01

生活者理解と共創による商品開発の最前線

Y02

記憶に刺さる広告づくり
i-SSP×表情解析を使い、コミュニケーションPDCAの最適化を目指す

Y03

ブランディングに寄与するスマートフォン広告の新たな取り組み
di-PiNK× ネイティブ広告× アンバサダーコンテンツ

Y04

デジタルマーケティング最前線

Y05

顧客と「つながる」

Y06

機能性表示制度がもたらしたインパクトと変化の兆し

   
※セッションの一部を公開しています。                    

Y02:記憶に刺さる広告づくり
i-SSP×表情解析を使い、コミュニケーションPDCAの最適化を目指す

 
アウディジャパン株式会社 マーケティング本部
リサーチスペシャリスト
後藤 晋哉 氏

株式会社インテージ
マーケティングイノベーション本部
リサーチソリューション開発部
山本 直人

i-SSPを使った研究から、テレビCMに接触した人のうちテレビCMを覚えていない人がいる、いわゆる「認知バイアス」が生じていることが分かっている。認知バイアスを小さくする。すなわち接触と認知のギャップを埋めれば、認知効率を上げ、広告効果を高めることが出来る。認知バイアス、すなわち無意識レベルでの事象への影響を計るプロジェクトのため、あえて自記入調査ではなく表情解析を用いた分析の事例を紹介いただいた。

自動車の15秒テレビCMの分析では、広告を見たことを覚えている人と覚えていない人では、時間軸での表情の変化を示す波形が違っていることが分かった。また、「注目」の表情の後に、「理解」の表情を起こしているシーンが、広告を覚えていることに寄与していることも分かった。従って、この理解が生じるシーンにおいてブランドを重ねることが認知バイアスを小さくすることに貢献すると思われると説明をいただいた。

一方、広告記憶について実施したアンケートを通じて、表情解析では把握しにくいBGMなどの全体演出が広告記憶に繋がることがあることも分かった。表情解析とあわせてアンケートなど他の手法も使って補完することも、テレビCM全体として評価するためには必要であると締め括られた。

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Y03:ブランディングに寄与するスマートフォン広告の新たな取り組み
di-PiNK×ネイティブ広告×アンバサダーコンテンツ

 

NTTドコモ社とのジョイントベンチャーである「ドコモ・インサイトマーケティング」の設立を機に、広告・コミュニケーション事業への取り組みを始めて、4年目となる。昨年度、NTTドコモ社とインテージのデータを広告配信やデータマネジメントに活用できるdi-PiNK,DMP,DSPの提供を開始。広告主のブランディングに寄与するスマホ広告を目指して、この1年展開してきた。

スマホの広告市場は成長率では大きいが、スマホへのブランディング広告の出稿はPCに比べて少なく、広告主であるブランド企業も出稿を躊躇しているという声も聞く。その理由として、スマホのオーディエンスデータの流通量が少なく、有効なターゲティングが難しいこと、広告単価の安さから優良とは言えない広告の出稿もあり、広告への信頼性がPCと比べて低い。スマホ画面サイズの制約から、生活者のユーザビリティを阻害する見え方になるリスクなどが仮説として考えられる。

このような課題を解消することが、ブランディングにおいてスマホの広告の価値を活用できるのではないかと考え、NTTドコモ社が保有する豊富なデータと、ブランド体験を通じてそのブランドの熱心なファンになった「アンバサダー」が生活者視点で発信する共感を生みやすいコンテンツ、および生活者が今、見ているスマホの画面に、違和感なく、ナチュラルに、ネイティブに広告を見て頂ける広告フォーマットの組み合わせが有効なのでないかと、アジャイルメディア・ネットワーク社、ログリー社、インテージの3社で議論を重ねている。

単なるビジネスの座組みではなく、3社協働でサービス展開する前にインテージのリサーチ機能を活用し、di-PiNKとログリー社のlogly liftをつなぎ、そこにアンバサダーコンテンツによるクリエイティブでの広告を配信。生活者への事後アンケートによる効果検証も行うことを予定していると次の展開を紹介した。

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ログリー株式会社 代表取締役社長 吉永 浩和 氏
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
代表取締役社長CEO
上田 怜史 氏

株式会社インテージ
MCA本部デジタルマーケティング部
和田 雅直

Y04:デジタルマーケティング最前線

 
クックパッド株式会社 トレンド調査ラボ
調査室長/たべみる事業責任者
中村 耕史 氏

「クックパッド(http://cookpad.com/)」は、月間の延べ利用者数が5,644万人(2015年6月時点)という国内最大規模のレシピサイトである。

料理レシピ情報やスーパー等の特売情報を生活者に提供し、スマートフォン利用にも適用して、生活者がお店での購買直前にクックパッドサイトでレシピを確認して商品を決定する等、購買行動にも大きな影響をもたらしている。加えて、クックパッドサイト内における生活者の検索履歴等のデータベースサービスである「たべみる(http://info.tabemiru.com/)」は、小売店やメーカーに提供されており、販促活動や商品開発等の企業のマーケティング活動において幅広い活用が進んでいる。また、クックパッドのサイトには、調味料や食品、飲料メーカーからの広告が掲載されているが、生活者が知りたい情報を、広告というよりコンテンツ形式で提供することによって、通常のバナー広告よりも高い効果が確認されており、生活者・企業いずれにとっても重要なデジタルメディアとして確立している。

このクックパッドの「たべみる」とインテージの「SCI」がモニター連携を行うことにより、同一対象者におけるレシピ検索と購買履歴を組み合わせた分析を行い、ニーズと購買行動を組み合わせた、生活者インサイトや有効なターゲットセグメントの発見が可能となった。加えて、インテージ保有のDMPである「di-PiNK」を活用することにより、オーディエンス拡張による最適な広告配信につなげることが可能に。これが発展すれば、今までマスマーケティングしかできなかったコミュニケーションから、個々の生活者のニーズに合わせた適切なターゲティングに基づいたコミュニケーションができるようになる。つまり、生活者インサイトの発見・メディアプランニング、コミュニケーション施策の実行、施策の検証までの一連のPDCAがワンストップで提供可能になる。

デジタルマーケティングの重要性が叫ばれて久しいが、複数の企業が持つビッグデータを統合的に分析・活用することにより、オンライン・オフライン双方での有効なマーケティング活動に貢献できると事例を交えて紹介いただいた。

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Y05:顧客と「つながる」

 

マツモトキヨシグループは現在、全国に1,530店舗超、45都道府県で店舗網を築いている。直近の売上は順調に推移しているものの、1店舗当たりの売上は業界同様に微減。さまざまな理由が考えられるが、恐らくインターネットの普及によってオンラインに流れていったのではないかと思われる。今まで陣取りゲームのように店舗展開を進めてきたが、インターネットの普及によって今までとは違う新しいゲームになってきた。

そのため今年7月、今まで分かれていたコーポレートサイトとECサイトを一緒にしたオムニチャネルサービスをスタート。それぞれ抱えていた顧客データを統合し、すべての情報を1つからで入手することが可能に。各店舗の在庫状況や売価のほか、顧客のアクションもリアルタイムで把握でき、最適なサービスができるようになった。データを可視化することで、全てのチャネルで顧客との接触ポイントを設けられ、顧客はスマホ1つで買物が可能になった。

オムニチャネル化したことで、サイトアクセス数,ページビュー数,ユニークユーザー数は増え、サイト上で大きな動きがあった。

顧客データが膨大となる中で、蓄積された複雑なデータを有効活用するために、商品DNA,顧客DNAと組み合わせた「Genometrics(ゲノメトリクス)」を利用し、解決しようと取り組み状況を紹介いただいた。顧客の嗜好、価値観をベースとした最適な提案ができるようなプロジェクトを進めていると締め括られた。

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株式会社マツモトキヨシホールディングス
常務取締役
株式会社マツモトキヨシ 専務取締役
松本 貴志 氏

Y06:機能性表示制度がもたらしたインパクトと変化の兆し

 
株式会社グローバルニュートリショングループ
代表取締役
武田 猛 氏

株式会社インテージコンサルティング
エグゼクティブコンサルタント
新川 博己

健康食品・サプリメントの市場規模は1兆5,785億円(2015年9月時点)。平均購入額は女性が減っている一方で、男性が増えているのが特徴。

健康食品を消費者が利用する目的は、QOLの改善と見た目の向上、不安の解消、お守り的存在の4つ。機能性表示制度が導入されたことで、特定機能に特化した商品や健康維持・増進型に加え、今後は効能認知・エビデンスギャップ型商品も出てくると思われる。

商品戦略としては、ヘルスベネフィットを追求していくのが一般的だと考え、時間軸で考えた場合、制度導入後1~2年は原料企業や受託製造企業が有する研究レビューを活用すれば比較的短期間で開発できる。手持ちの臨床試験があれば多少古くてもトライする価値はあり、中期的にはフラッグシップ商品は時間をかけて質の高い臨床試験や研究レビューを実施して届け出る。機能性表示食品制度が本来求めるレベルの安全性、機能性の科学的根拠があれば海外進出も今まで以上にハードルが下がる。

インテージがまとめた機能性食品表示制度導入後の今年5月の調査では、機能性食品表示制度を全く知らない人は30.4%と前年9月調査の64.5%から大幅に減少。また、機能性表示食品の購入・検討するという回答は45.5%だったと調査結果を紹介。こうした中で、持っている商品やブランドをどう展開していくかについて、インテージは環境分析や調査レポートの分析からターゲット・参入領域を策定し戦略仮説を構築、それをもとにコミュニケーションに落とし込んだ最適なソリューションを提供していくことを説明した。

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