Search

キーワードを入力してください

インテージフォーラム 2015 開催報告
~特別講演~

ラグビーに学ぶリーダーシップと強い組織づくり

 
神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー
元 ラグビー日本代表監督
平尾 誠二 氏

最近、日本での良い話というのがノーベル賞とラグビーだと感じている。画期的な成績を残したラグビーは、監督のエディ・ジョーンズ氏の手腕によるところが大きい。エディ氏は、夫人が日本人で日本でのコーチングキャリアも長い。これが良い意味で影響していて、日本人の強みや弱みをよく知っている。

これは非常に大きな要素で、競技で外国人監督を雇うならば、コーチングを含めたマネジメント能力のほかに、日本に対する知識をもっていることが大事な要素になる。また、個人として持っているネットワークも欠かせない。日本人監督に最も欠けているのがこのネットワークだ。

ただ、一般に言われているリーダーシップと私が考えるリーダーシップは少し違う。つながるというのが重要だと考えており、共感できるかできないかが生命線だと思っている。共感のないところに本物のつながりはない。とはいえ、ものわかりのいいリーダーが良いリーダーだとは限らない。

私が見てきたリーダーの共通項は、極めて理不尽であるということだ。優しいだけですばらしいリーダーは存在しない。波風立てないということはありえない。波風が立って矛盾を抱えて成長する。矛盾を抱えていつも心の中で対話することが人を成長させる。社会に出たら矛盾・理不尽だらけで、それを乗り越えてきた方々がリーダーに適していると思う。私の知っているさまざまなリーダーは、基本的には超自己中心型ながら思いやりがあって、繊細かつ細かい。行動は大胆で短気ながら我慢強いところもある。こういうリーダーなれと言っているわけではないが、結果としてこういうリーダーがチームや人を動かしている。