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インテージフォーラム 2018 開催報告:Y04

「情報銀行」は構想から具現化へ
~生活者起点のパーソナルデータ流通がもたらす個人中心のマーケティング~

総務省 情報流通行政局 情報通信政策課 調査官 飯倉 主税 氏

株式会社DataSign Founder 代表取締役社長 太田 祐一 氏

株式会社マイデータ・インテリジェンス 取締役 福田 勝 氏

株式会社インテージ 開発本部 エバンジェリスト 兼
一般社団法人データ流通推進協議会 理事 伊藤 直之

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冒頭、インテージの伊藤は、データ漏洩や不正利用の事故が絶えない現状を解説。「問題の本質は、生活者がまったく感知していないところで情報が収集・利用されているところにある」と問題提起した。現代的なプライバシー権を守りつつパーソナルデータの利活用を進めていくために情報銀行が解決の一助になると話した。

続いて登壇した総務省の飯倉氏は、「個人が安心して利用できる『情報銀行』を選択できるよう、民間による認定の仕組みを産学官で検討を行った」と語る。「個人に代わって妥当性を判断して第三者に情報提供する事業と定義された「情報銀行」について、個人の関与を実効的なものとするため、データ倫理審査委員会の設置などを認定要件としたとしている。現在「情報信託機能の認定に係る指針」のバージョン2の取りまとめに向けて検討会を始めたところであり、実証実験を進めて今後に活かしていきたいと語った。

続いて登壇したDataSign Founderの太田氏は、「なぜ情報銀行が必要か、個人目線で考えています」と語り、個人データ取得する企業は多いが、個人はそれを認識していないと現状を分析する。「だからといって個人情報への規制を強めるのではなく、どこが何を使っているか管理し、自分のデータを使うことでもっと便利になればよいのです」と太田氏は語る。その解決策として、DataSignはPDS内蔵の情報銀行「paspit」をリリース。今後のID/データプラットフォームとして事業を拡大していく予定だ。

続いて登壇したマイデータ・インテリジェンスの福田氏は「企業がそれぞれ個人情報を集めてもデータの利活用がなかなか進まない実態を見てきました」と語る。解決策として、生活者がデータを持ち、企業がそれを利用した履歴を自分で管理する必要があるという。「生活者個人が履歴を蓄積することでさらに品質の高いサービスが受けられるようになり、企業と生活者の間にデータ活用の好循環が生まれます」と語る。マイデータ・インテリジェンスは、そのためのプラットフォームとしてマイデータ・バンク「MEY」を開発。生活者と企業がバランスよく発展できる仕組みを提供する。

最後のパネルディスカッションでは、インテージの「情報銀行」支援サービスについて触れた後、情報銀行の競争力や企業の巻き込み方などをテーマに登壇者らと議論。実際の具現化について抱負を語り合い講演は幕を閉じた。