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インテージフォーラム 2018 開催報告:Z02

気象で人の行動を予測する
~変化する気象現象を味方にするマーケティング戦略~

一般社団法人日本気象協会 防災ソリューション事業部 需要予測プロジェクト プロジェクトマネージャー 本間 基寛 氏

株式会社Mizkan 生産物流本部 SCM企画部 部長 岡本 洋忠 氏

株式会社インテージ 経営推進本部 マーケティング部 チーフアナリスト 片寄 航

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気象データアグリゲーターとしても活動している日本気象協会。気象とビジネスには関連があるという本間氏は、「それを考えるときに気象には3つの特長があります。一つはあらゆる産業に気象リスクがある点、二つめは気候変動で未経験な極端気象の出現、三つめは唯一、未来の予測が可能である点です」と語る。
今後は温暖化の影響などにより、経験と勘だけでは対処しきれない事象が増えることはもちろん、気象の変化により人の行動も変化することが予想されているが、「気象データと出荷量やPOSといったビッグデータを掛け合わせて考えることで、気象を活用して未来の需要予測が可能になります」と語り、その具体例として、年間気温の推移と商品需要における販売傾向や、Twitterのつぶやきから体感気温を指標化することで商品売上予測の精度向上を目指す取り組みなどを説明した。

続いて登壇したミツカンの岡本氏は、「私たちのビジネスは、暑い、寒いといった気象が消費者の嗜好性に密接に関わってきます。気象を理解することがビジネスに大きな役割を持ちます」と語る。同社の人気商品の鍋つゆシリーズの中でも、あっさり系、濃厚系、辛味系の各フレーバーの需要が気温と大きく関わっている事例や食品ロス削減へ向けた活動によって実際に削減効果を得ている例などを紹介。「日本気象協会と共に進めているこうした取り組みは各方面からも評価が高く、今後にも大きな期待を持たれている」と説明した。

壇上には再び本間氏が戻り、気象の影響を受ける産業やインテージと共同で取り組んでいる459品目の気象感応度調査のデータなどを紹介。気温の変化や傾向により、売上のピークが変化する部分がきめ細かく再現できることを説明し、マーケティングや営業活動をはじめ、商談などにも活用できると語った。

最後に日本気象協会と共同で行っている気象のマーケティングについて語るインテージの片寄。「気象の実際の温度とは別に体感温度が今後のマーケティングに影響してくると考えています。また気象の影響で購買が喚起される人へのターゲティングも重要になってきます」と語り、事例を紹介。現在、気象と連動したターゲティング配信へ取り組んでいる状況を説明した。