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インテージフォーラム 2019 開催報告:S01

「Consumer 360° Data Driven Marketing」の現在と未来

株式会社モンリッチ
代表取締役社長
山田 耕造 氏

株式会社インテージ DCG・サービス事業本部 リサーチ&コミュニケーション2部 部長
田中 宏昌

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本セッションでは、データドリブンによる新たな顧客アプローチ、およびカスタマーエクスペリエンス(CX)について、密度の高いトークが行われた。
人口減少社会において顧客を獲得し、育成し、つなぎとめる施策として、ここ1、2年でCXという概念が一般化し、多くの企業がジャーニーマップなどを利用して顧客との接点を可視化して、各プロセスにおけるコミュニケーションを最適化しようとしている。しかし、モンリッチの山田氏は、まだまだ大きな企業ほど部門を横断して顧客体験を見ていくことは難しいと語り、比較的小規模で意思決定の速いベンチャーや経営判断の早いトップダウン的な企業にマーケットで押されている現状に言及した。またこうした状況を見ると、組織内の情報交流を第三者的な立場で回す、という部分に自分たちの存在価値があるとも述べた。

一方でインテージの田中は、Webなどから集めた定量データについて、行動の履歴は大量にあっても、なかなか人としての“顔”が見えないケースがあると語った。山田氏も「たしかに数値データだけを見ても、どこがトリガーになるのかがわからないという悩みは多い」といい、こうしたジレンマと向き合っていくには、単に集客することだけを考えてデータを見るのではなく、全体を俯瞰して思考の幅を広げることが大切と指摘した。そのためには自社データとともにサードパーティのデータを活用して、ヒトトナリの想像できる、いわゆる、顔のみえるデータを用いながら、仮説を磨いていくことも有効ではないかと述べた。

加えて山田氏は、CXデザインやコンサルティングにおける自身のデータ利用についても言及。「各プロセスの中にきちんとKPIの指標を置きつつ効果測定を行って回していく。このループをしっかり作っていくことが非常に重要なので、ここをインテージさんと一緒にやっていきたい」と語った。山田氏のデータ活用について田中は、「例えば車だったら購入から点検、車検までのすべてのジャーニーを見ている。現在のクルマライフを見据えて、最長7年程度を眺めてエクスペリエンス・デザインを考えていらっしゃる」と感想を述べた。山田氏は、サブスクリプション型のビジネスが注目されている現状を背景に、モノがサービスとして継続的に消費されていく中で、「コミュニケーションのタッチポイントがますます重要になってくる」と解説。その上で、継続性を考えて顧客に価値を提供していく必要があると述べセッションは終了した。