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インテージフォーラム 2019 開催報告:S02

データ・サイエンス2019
~ニーズとシーズ、技能と技術の交差点~

株式会社インテージ 開発本部 先端技術部 副部長
佐藤 健一

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インテージの佐藤は、「弊社には専任・兼任を含めて約40人のデータ・サイエンティストが在籍している。その多くは顧客の依頼に基づいてデータの分析・提案を行っていますが、一方で別の側面もあるのです」と語る。たとえば教育支援の分野では、国内3大学のデータサイエンス学部と産学連携に関する基本協定を締結し、未来のデータ・サイエンティスト育成を支援。滋賀大学データサイエンス学部の看板教授である河本氏のゼミをプロデュースしたエピソードも紹介。また、R&D分野では“Enjoy Innovation”をキーワードに、企業間の垣根を越えたさまざまな研究で新たな技術創出を目指している。さらに、データの精度管理や新しいデータを創り出す商品開発、企業とのコラボレーションでオープンイノベーション創出を目指すテクノロジー・アライアンスなど、表から見えない分野でも支援を行っている。

続いて佐藤は、効果測定のモノサシとして「MMM(Marketing Mix Modeling)」を紹介した。同社はこれまで200以上ものプロジェクトで、MMMによるマーケティングROI可視化と予算配分適正化を支援してきた。こうした豊富な実績をベースに、メディアデータ「Media Gauge」を併用することで、MMMのさらなるアップデートが見込めると語る。たとえば、TVCM効果を性別やエリア別に可視化すれば、MMMをプランニングに役立てることが可能だ。加えて佐藤は、広告効果をさらに深く理解する3つの測定方法「MTA(Multi-Touch Attribution)」・「MPA(Matched-Panel Analysis)」・「ABM(Agent-Based Modeling)」を紹介。これにより、「個人ベース(属性付)で対販売効果を把握したい」「厳密に効果測定(特にTV)を追求したい」「効果測定も踏まえつつ多様なマーケティングシナリオに基づく未来予測シミュレーションをしたい」など、よりディープな要求にも応えることが可能になる。

最後に佐藤は、10月に正式提供開始が予定されている、DataRobotと共同開発した新たな需要予測サービス「Auto Demand-Forecasting」を紹介した。これは、要望に沿ってカスタマイズしたインテージの需要予測モデルと顧客の業務システムをAPI連携し、業務に合わせた粒度で需要予測値を利用可能にするというもの。佐藤は「従来より安く、特別な体制準備が不要、そして準備の手間も最小限にする『Auto Demand-Forecasting』で、企業におけるAI活用の敷居を下げていきます」と述べセッションは終了した。