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インテージフォーラム 2019 開催報告:X01

ラストワンマイルの店頭メディアでお客様の行動を変える
~リアル店舗の逆襲、お客様とリアルな接点を価値化~

日本コカ・コーラ株式会社
コマーシャルデベロップメント CVS ショッパーマーケティング グループマネージャー
小川 高幸 氏

株式会社ローソン
業務システム統括本部オープン・イノベーションセンター アシスタントマネージャー
佐藤 正隆 氏

株式会社インテージ FMCG 事業本部コネクティッド・ソリューションズ・センター シニアプランナー
高橋 弘明

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「人口の減少、労働者の減少、高齢者の増加、さらにはECの台頭などにより、小売業では運営の効率化や収益性向上につながる『デジタルトランスフォーメーション』が加速しています」と語るインテージの高橋。このデジタルトランスフォーメーションの一環として行ったのが、店頭メディアと行動データを組み合わせ、小売・物流とメーカーだけでなく、生活者を含めた業界各社のWINを創るというプロジェクトであると述べた。

小売業としてプロジェクトに参加したローソンの佐藤氏は、都内に2店舗ある顧客の行動データを収集している店舗で動線を分析し、店内の回遊の主動線上に、複数のサイネージを設置した。これにより、従来のようなTVCMでの認知&イメージ促進、デジタルメディアでの想起、ストアプロモーションによるインセンティブ効果に加えて、店頭サイネージを用いた購買喚起を実現、さらに、各種データの活用により、イエナカ/マチナカ/ミセナカという複数のシチュエーションで、最適化を目指せるようになる。さらに佐藤氏は、店頭サイネージを活用して「自社製品『マチノパン』シリーズの売上が比較店平均と比べて大きくアップし、『からあげクン』ではメーカーとのクロスオファーで売上の増加につながる効果も得られた」と語った。

このプロジェクトにメーカーとして参加した日本コカ・コーラの小川氏は、その理由について「最終タッチポイントであるコンビニエンスストアの店頭は、新製品に関する最大の認知経路であり、将来の主力メディアのひとつになる可能性も考えられる。また、行動データを研究することで、ショッパーマーケティングの大きなヒントにつながる可能性があり、飲料売り場への立ち寄りを増やせるチャンスがある」と語った。
実際に店頭サイネージで「い・ろ・は・す 天然水にれもん」のプロモーションを行った結果、商品売上だけでなく、カテゴリ売上ともに増加傾向を確認。商品購入者に加えて、売り場の通過者、立ち止まり者が増えるなど、行動変化も認められたと述べた。

このように本プロジェクトでは、小売業・メーカーの両者のWIN-WINが構築できた。
今後はデジタル技術を活用した店頭メディアをネットワーク化させていくことで、最終購買決定の場でコミュニケーションが出来る巨大なメディアを創れる、と期待を述べ、セッションは終了した。