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インテージフォーラム 2019 開催報告:Y01

マツモトキヨシのデータが変える広告の世界

株式会社マツモトキヨシホールディングス
執行役員 営業統括本部営業企画部長兼 オンラインビジネスユニット シニアユニットマネージャー
松田 崇 氏

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マツモトキヨシホールディングスの松田氏は、現在のドラッグストア業界について「市場規模こそ伸びているものの、1店舗売上は横ばいで寡占化が進んでいます。そこで、国内外やECも含む各チャネルを横断的に統一する基盤として、グローバル化とデジタル化を推進してきました」と語った。

その中でも特に重要なのが、チャネルの壁を越えた 「デジタルプラットフォーム」を構築し、顧客の購買行動を横断的に把握することだ。デジタルプラットフォームでは、既存事業で蓄積したデータ基盤を中心に自社・メーカーの販促の高度化を推進。顧客に対しては「One to Oneマーケティングの実現」、自社にとっては「自社商品の開発促進」、BtoBの側面では「メーカーへのブランドマーケティング支援」という効果をもたらしていると述べた。

One to Oneマーケティングの実現は、380万人以上のデジタル会員を含む、6370万もの顧客接点が大きな強みになっている。こうした顧客接点情報にデータマイニングツールと顧客DNAを活用すると同時に、デジタルプラットフォームを用いてチャネル横断での顧客動向把握とアプローチ、そしてデータ分析による深い顧客理解を実現。価値観スコア・購買データを効果的に組み合わせたターゲティングによる高い反応率、販促媒体の低コスト化・効率化、施策の精度向上と本数増加がもたらす売上高の伸長を可能にしたと語った。

自社商品の開発促進は、エナジードリンク「EX STRONG」シリーズで成果が見られた。購入者データから分析したエナジードリンク購入者のKBF「カフェイン量」に“マツキヨらしさ”を加えた結果、SNSやメディアで話題が沸騰。同社の売上金額が1.6倍にまで増加したと語った。

メーカーへのブランドマーケティング支援は、小売業が主体となる購買促進・キャンペーンだけでなく、メーカーが進める認知拡大・広告の領域まで含めたトータル支援を行うというもの。購買データ分析による精緻なターゲティングで、規模と精度を両立する新しい広告を実現。メーカーの依頼に応じた最適な広告配信、広告効果・購買の実績レポートなどにより、ブランドの顧客対話環境を着実に構築できるという。加えて大手外部メディアとの連携や、Googleのテクノロジを活用した「Matsukiyo Ads」で、より高度な広告価値向上が可能。今後はWeb広告施策と連動した店内サイネージの導入、さらなるターゲティング精度の向上、広告の規模・精度の拡大などを図っていくと述べ、セッションを終了した。