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インテージフォーラム 2019 開催報告:Y03

デジタル時代のオーディエンスデータ活用と効果的なコミュニケーション活動の在り方

アサヒ飲料株式会社
マーケティング本部宣伝部 メディアグループリーダー
高橋 徹 氏

株式会社カネボウ化粧品
コミュニケーション企画グループ 部長
加藤 義久 氏

株式会社インテージ FMCG 事業本部 グループリーダー
佐藤 裕介

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人の属性情報や行動ログの集積である「オーディエンスデータ」。本セッションではコミュニケーションにおけるオーディエンスデータの活用に対し課題や期待が語られた。

まず自社のデジタルシフトについてアサヒ飲料の高橋氏は、「ここ2、3年でようやくTV中心からデータを軸にしたプランニング中心へと変わりつつある」といい、「デジタルのいいところは、効果の見やすいところ」とメリットを語る。一方、カネボウ化粧品の加藤氏は「全ブランド共通のフォーマットを使って情報共有をするルールを敷いている」といい、「共通言語を用いることで、経営層が相対評価できるような環境づくりを行っている」と現状を語った。

続いてそれぞれの企業のデータ活用事例が語られた。加藤氏は、di-PiNKを活用してサイクルを構築し、Web分析・SNS分析・オーディエンスデータ分析を通してターゲットを把握していると説明。またサイト訪問者や広告接触者をインテージの調査パネルと紐づけて分析し、出稿計画に反映させているという。一方で高橋氏は、SCIやISSPを効果検証に活用しており、先日とあるTV番組で自社ブランドが紹介された瞬間のデータを見ると、Amazonでの受注が25倍になっていたという。「TVの影響力は依然強く、またユーザーが番組を観ながらスマホで買い物していることへの気付きもありました」と述べた。

今後の課題について、加藤氏は「環境、仕組み、インプットするデータ。この3軸を同時にケアしていくことが大切」という。そして「弊社では仕組みが先行していますが、圧倒的に足りていないのはサンプルデータです。そこは自社だけではどうしようもなくパートナーとの協力が必須」と言及した。高橋氏も「データを扱う領域では、同業他社を競合とは感じません。むしろ社内よりも話が通じるのではないでしょうか」と社外パートナーとの連携について語る。
さらにコミュニケーション活動の目指すべき姿について加藤氏は、「コミュニケーションとは恋と同じで相手のことを知りたいという欲求。それこそがマーケティングで、その欲求を実現する手法が、インテージのデータベースや調査なのだと思います」と語った。

最後にインテージの佐藤は「ステークホルダーと課題を適切に共有し合い、最適解を求めた環境づくりがデジタル時代には必要」と述べ、セッションは終了した。