Search

キーワードを入力してください

インテージフォーラム 2019 開催報告:Y04

市場俯瞰を可能にするデータと晴眼
~クルマの現在と未来の交差点 MaaSインパクト~

講演者)
株式会社日刊自動車新聞社
特別編集委員
斎藤 匤 氏

株式会社電通
地域イノベーションセンター 地方創生室 ソリューション開発部 シニア・統合マーケティング・プロデューサー
沼野 恵 氏

株式会社インテージ DCG・サービス事業本部 リサーチ&コミュニケーション2部
グループリーダー 大野 勝茂
シニアリサーチャー 三浦 太郎

y04-01-01.jpg

y04-01-02.jpg

y04-01-03.jpg

MaaSについて、自動車業界の視点から語る日刊自動車新聞社の斎藤氏と、地方創生や広告の視点から語る電通の沼野氏のディスカッションは、インテージの三浦がモデレーターをつとめた。冒頭で少子高齢化社会における今後の自動車購買の低下予測と、地方では未だにマイカーが移動手段として重視されていること、MaaSの定義と課題等を確認・共有した上で、各視点からの見解を語った。

斎藤氏はMaaSについて「自動車業界では実像が見えづらいという感覚がある。それよりも自動運転を中心とするCASEの方が自動車というハードに先進技術を組み込むもの、超えるべき課題としてすんなりと受け入れられている。今後2020年代、2030年代にはCASEがMaaSに取り込まれて行くと思う。これまでモビリティの中心だった自動車メーカーが陸海空をつなぐMaaSで1プレーヤーになることのちょっとした抵抗感はある」と語った。

個人所有車と商用車の割合が7:3から5:5へと変化して行くだろうことや、現在の自家用車稼働率が1割に満たないのに対しMaaSでは1台ごとの稼働率が引き上げられこと、それに伴いメンテナンス需要が高まることも指摘。

社会的な変化については沼野氏が「公共施策としてポジティブに取り組むべきものではある。社会的にはいろいろな分野のものが動員され、あらたな社会解決をするものになる。生活者として便益を享受する一方で、ビジネスパーソンとしては、どの領域を戦略的に攻めていくのかということを考えなければならない」と指摘。MaaSで発生するパーソナルとパブリックの中間的な時間と空間を、新たなマーケティングチャンスと捉え、新たなマーケティング支援の手法開発、実施にすでに着目している人もいることなどを語った。

インテージの大野が自動車購入に関する調査を行っている「Car-kit」について紹介。今後は自動車購入者だけでなく非保有者へも対象を広げ、MaaSプレーヤー各社に集まるデータと連係させるなどし、先行指標として兆しを掴めるよういしたいと展望を示すと、両氏からは、今後の変化に対応するためにも幅広いデータを活用するマーケティングは必要だと述べられ、セッションは終了した。