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インテージフォーラム 2019 開催報告:Z02

データコネクトとアイディエーションから導き出すフルファネルブランド戦略

ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズ統括本部 クライアント営業本部 自動車部 部長
江中 俊輔 氏

ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズ統括本部 クライアント営業本部 旅行部 部長
三村 真 氏

株式会社インテージ コミュニケーション事業本部 事業デザイングループ シニア・ビジネス・ストラテジスト
伊田 加奈子

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はじめにインテージの伊田は、デジタル時代におけるマーケティング活動の課題として、マーケティング戦略とメディアプラン・バイイングが断絶していること、Upper Funnelに向けた施策の効果が曖昧であることを挙げた。

インテージのデータについて、モニター数は国内最大級であってもあくまでサンプリングデータの規模に留まることや、リアルタイム性に欠けることもあり、メディアプランを描いた後の施策実行フェーズにおける活用において課題があるという。一方でYahoo! JAPANのデータについて江中氏は、膨大なデータの量と、消費者の興味関心や購買情報も含む質の高さの両方が強みだが、購入前の本格検討開始前の意識下の変化や購入者の実際の購入理由など、Web行動には表れにくい部分が課題である、と述べた。

この課題解決のために取り組んだ両社のデータの統合について、自動車業界での活用方法が紹介された。Yahoo! JAPANでは車種の検討行動をWeb上での検索行動データで追うことができ、インテージでは潜在意識やWebに表れないリアルな検討行動を把握できる。「両データを組み合わせるにより、消費者のライフスタイルがクリアになり、より価値を高めることができる」とヤフーの江中氏。また伊田は「組み合わせることでフルファネルの把握を実現、それを基にマーケティング戦略やプランニング、施策実行までつなげられる」と述べた。

最後にヤフーの三村氏も参加してパネルディスカッションが行われた。三村氏からは「旅行業界のパイを広げるためにもデータ活用で需要喚起をできるようにしたい」と述べ、伊田は「行動と意識データを掛け合わせる取り組みも進めており、Yahoo! JAPANのデータから見えてくるものにも期待している」と語った。クライアントのニーズの変化について江中氏は「クライアントの先にいる生活者の状況が変化している。メディアもどれだけ価値提供できるかが見られていると思う」、三村氏は「ニーズは変わっていないが、デジタルで上での行動の可視化が必要不可欠」と語った。また、データ活用の今後について江中氏は、データをどれだけ立体化できるかが鍵だとして、クライアントを含めた三者の連携の重要性を指摘、三村氏は顧客に選んでもらうための差別化が重要であると述べた。伊田はクライアントが自社で保有するデータをマーケティングに活用したいというニーズも高まっており、これに対しての支援も今後も両者で検討していくとして締めくくった。