小麦関連2ケタ値上げ続出、店頭販売価格の高騰広がる

2020年と比べ食パン(110%)、袋ラーメン(112%)、スパゲッティ(110%)
油やマヨネーズなど調味料も価格上昇が続き、食卓に影響も

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株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)をもとに、原油や原料費の高騰が続き日用消費財メーカーなどが商品の値上げを発表する中で、生活者がどのような影響を受けているのか、実際に購入をする店頭販売価格の値上げについて調査しました。

[ポイント]

  • 店頭価格の高騰は本格化。値上げ前の2020年平均に比べ10%以上高くなった食品が多数
  • 7月は食パン110%に到達。小麦粉は113%、スパゲティや袋ラーメン、カップラーメンなども2ケタ増
  • 大幅値上げの食用油の他、マヨネーズ(121%)、砂糖(111%)、醤油(113%)など調味料も値上がり
  • 価格が上がった商品の中には、プライベートブランドのシェアが高くなったものが見られる
図表1

データ:SRI+ 集計期間:2021年7月-2022年7月、指標:平均価格・2020年比較
※2020年比105%以上を赤字で表示

小麦関連の値上げが拡大。主食、調味料など食卓への影響が大きいものに広がりが

サプライチェーンの混乱や原材料費の高騰などで、値上げ局面が続く現状。7月に入り、さらに影響が拡大していることが分かりました(図表1)。生活者が実際に商品を買うことになる店頭販売価格で、顕著な変化を見せたのが小麦関連。小麦粉は本格的な値上げ前の2020年平均に比べて113%、毎日の食卓に欠かせない食パンも110%と、ついに2ケタ増にまで到達しました。スパゲッティも110%、5月までは価格が落ち着いていた袋ラーメン(112%)、カップラーメン(110%)も大幅な伸びを見せるなど、輸入小麦価格の高騰が家庭の食卓に大きなインパクトを与えていました。大幅な価格上昇が続いているキャノーラ油(161%)、サラダ油(128%)の他に、調味料では油を原材料にするマヨネーズも121%まで達し、他にも砂糖、醤油なども2ケタの伸びとなっています。

値上げに対する生活者の行動は? プライベートブランド比率が上がっている商品も

では価格高騰の波に、生活者はどのような行動を見せているのでしょうか?ナショナルブランドに比べ、比較的価格が安い商品が多いと言われるプライベートブランド(PB)の金額シェアを見てみましょう(図表2)。大幅な値上げが続くキャノーラ油は2021年1月は35.5%でしたが、2022年7月には50%にまで上昇していました。同じようにマヨネーズも17.9%から22.3%、食パンも13.9%から16.8%と増加しています。そして直近、急激に数字を増やしていたのがカップラーメンで2022年5月までは10%程度でしたが、同6、7月には15%ほどになっていました。ちょうどカップラーメンの平均価格が値上がりした時期頃から数字が上がっています。

図表2

データ:SCI 集計期間:2021年1月-2022年7月
指標:PB比率(金額ベース)

アルミホイルが約2割の値上がり。一部商品では低価格の商品へのスイッチも

日用雑貨は食品ほどの幅広い値上げの動きは見えていないものの、アルミホイルが5月から一気に高くなり7月には118%となっています(図表3)。世界的な需要増に加えて、生産コストの高騰などが影響を与え、その波が家庭にも波及した形になりました。洗濯用洗剤も7月に110%、生理用品も6月に111%を記録するなど、徐々にこの分野でも値上げの動きが見え始めました。日用雑貨は食品に比べ保存がきくため単価が安くなる大容量の商品を買ったり、低価格の商品などへのスイッチを行う傾向も見え始めています、さらに秋口からの値上げが表明されている商品も多数あるだけに、消費動向の変化が注目されます。
インテージでは、今後も生活に直結する店頭価格の動きなどについて随時公開していく予定です。

図表3

データ:SRI+ 集計期間:2021年7月-2022年7月、指標:平均価格・2020年比較
※2020年比105%以上を赤字で表示


使用したデータ/関連プラットフォーム
【SRI+®(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo.1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。

※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2022年9月現在

【SCI®(全国個人消費者パネル調査)】
全国15歳~79歳の男女53,600人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データです。食品、飲料、日用雑貨品、化粧品、医薬品、タバコなど、バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を知ることができます。

※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません

株式会社インテージ

株式会社インテージは1960年に創業。インテージグループとしてアジアNo.1*であるマーケティングリサーチ/インサイト事業に加えてマーケティングソリューション事業を展開し、9か国の海外拠点とともに国内外の企業・団体のマーケティング活動を総合的に支援しています。事業ビジョンとして“Create Consumer-centric Values”を掲げ、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通じ、生活者の幸せの実現を目指しています。
*「ESOMAR’s Global Top-50 Insights Companies 2024」に基づく(グループ連結売上高ベース)

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