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拡大するオーラルケア市場~老若男女問わず、オーラルケアへの意識向上~
PICK UP
  • デフレ下でも、オーラルケア市場は拡大傾向
  • マーケットを牽引しているのは、マウスウォッシュ・歯間ブラシ・フロス・舌クリーナーなど。購入アイテムも増加
  • 気になる口腔衛生は、1位「歯垢・歯石」、2位「虫歯」、3位「美白」、4位「歯周病」、5位「ヤニ・渋茶」、6位「歯槽膿漏」
  • 他人の口臭が気になる人が85%
  • 性・年齢を問わず、半数以上が口の中の健康が気がかり
  • 20代女性を中心に、「お口の美意識」が向上
  • オーラルケアは、歯磨き粉・歯ブラシからマウスウォッシュ等との併用が進む
  • 機能別に3品以上のアイテムを使い分けるオーラルケア商品
  • 35%が虫歯治療以外の定期検診で歯医者を利用
マーケティングリサーチ最大手の株式会社インテージは、オーラルケア商品の動向とその背景について、同社のパネル調査サーピス(SRI(*)・SCI(**))データおよびインターネット調査結果をもとに分析した。
お口の健康といわれて連想することといえば、一昔前は歯磨きによる虫歯予防というイメージだったが、最近では、歯ぐきや舌のケア、歯自体を白くしたりカルシウムをしみこませたりするなど、幅広いケア方法が浸透しつつある。さて、実際に消費者の購買状況や意識はどのように変化したのか?

マーケット・アナリスト 茜ヶ久保 佳子(株式会社インテージ パネルリサーチ部)
(*)SRI(全国小売店パネル調査)
GMS、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンター等、国内の主要な小売店の業態を網羅する約5,000店舗を対象としたパネル調査(同一対象を継続的に追跡し時系列を把握する調査)。POSデータなど小売店頭での販売動向に関するデイリーのデータを収集・分析し、「どの商品が、いつ、どこで、どのような店舗で、いくつ、いくらで、販売されたのか」というマーケティング戦略に不可欠な情報を提供するサービス。食品・日用雑貨品など大手消費財メーカーのほとんどに提供されている。

(**)SCI(全国個人消費者パネル調査)
わが国唯一の全国消費世帯パネル調査。2人以上で構成する12,008世帯のモニターをオンラインネットワーク化し、毎日の購入商品・購入ルート・購入金額などのデータを収集して、顧客企業に「マーケットシェア」、「ブランドスイッチ分析」、「購入価格分析」などのマーケティング情報を提供している。
調査結果

SRI・SCI調査結果の詳細

図1は、オーラルケアのカテゴリー別マーケットの推移を示したものである。デフレ傾向の市場環境においてもオーラルケア市場は拡大傾向にあることがわかる。


4年前と比較すると、主要カテゴリーである歯磨き粉、歯ブラシよりも、マウスウォッシュ、その他口中衛生品(歯間ブラシ、デンタルフロス、舌クリーナーなど)などの周辺カテゴリーがマーケットを牽引している。図2-1は、1992年と2006年における主婦のカテゴリー別の購入状況の変化を比較したものである。
92年当時は、マウスウォッシュ、その他口中衛生品ともに10%程度の購入世帯しかいなかったが、2006年では約10ポイントの増加がみられ、購入世帯がここ15年で大きく増加していることがわかる。


図2-2では、上記5カテゴリーの購買パターンの変化を示した。1992年は「歯磨き粉+歯ブラシ」の2品のみの購入世帯が約6割だったが、2006年では4割程度へ減少し、対して、3品以上組み合わせて購入している世帯の割合は2006年には3割と10ポイント以上の伸びがみられた。オーラルケア市場の拡大はアイテム数の増加によって支えられている。

インターネット調査結果の詳細

<調査の概要>
調査期間 : 2007年1月30日(火)~2月2日(金)
調査対象: 首都圏(1都3県)在住の20歳から59歳までの男女(Yahoo!リサーチ・モニター)
調査方法:ウェブ上でのアンケート調査
有効回答者数:482名 (20代111名、30代115名、40代118名、50代138名)
調査実施機関:株式会社インテージ・インタラクティブ

※ 調査結果の構成比は、すべて有効回答者482名をベースにしたものである。

口の中の健康で気になるところを複数回答で聞いたところ、歯垢・歯石がトップで、虫歯、美白、歯周病と続く。いずれも6割を超える人が何らかの健康を気にしているといえる。歯垢・歯石、虫歯は比較的若い年齢で、美白は女性での「気になる」割合が高いが、歯周病・歯槽膿漏では年齢・性別を問わない。また、口臭については自分よりも他人の口臭が気になる人が多い。



商品を選ぶときどんな機能を重視するかとの問いでは、歯磨きの場合、虫歯予防(63.1%)以下、口臭予防(49.8%)、歯周病予防(44.2%)、美白(37.8%)と続く。マウスウォッシュでは口臭予防(41.9%)、歯周病予防(21.0%)、虫歯予防(17.4%)、フロスでは虫歯予防(29.9%)、歯周病予防(24.7%)、口臭予防(16.2%)となった。口の中の気になるさまざまな状態に対して、商品を機能的に使い分けている様子が伺える。


歯磨き回数は48.3%が「2回」と回答した。以下、「3回」(26.6%)、「1回」(19.7%)と続く。歯磨きにかける時間は、約6割が「1分から3分未満」と答えているが、3分以上磨いている人の割合も37%にも上る。




定期健診での歯医者の利用状況では、35%の人が年1回以上利用したと回答した。年代別にみると、男女とも50代の利用割合が高く、オーラルケアに対しての意識が高いといえる。


「使っているオーラルケア商品のうち、自宅以外で使っているものはありますか」という問いに対しては、約3~4割の人たちが、歯ブラシ・歯磨き粉または簡便なケアとしてのガムやキャンディを携帯・常備していることがわかった。

「職場・学校に置いている」「いつも持ち歩く」「ときどき持ち歩く」の合計値

以上のことから、オーラルケアは従来の「歯磨き粉+歯ブラシ」によるケアから、マウスウォッシュ、デンタルフロス、歯間ブラシなどの周辺商品との併用が進んでいることがわかる。また、半数以上が何らかのオーラルケアの必要性を気にしており、それが自宅以外でのケアや定期歯科検診などの行動にもつながっていることが明らかになった。昨今の健康志向とともに広がるオーラルケアへの関心の高まり、消費者の問題意識を捉えたメーカーの商品開発、定期健診等での歯科医のオーラル意識の啓発などが相まって、今後もオーラルケア市場は拡大していくことが予想される。


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ex)
インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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