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消費税「総額表示方式」の義務化についての消費者・小売店調査(2004年2月)
PICK UP
  • 消費者の総額表示の認知度は75%
  • 一方で、「将来の税率引き上げ」「便乗値上げ」を心配する声が90%弱
  • スーパーマーケットでは「総額表示のみ」が60%弱
  • 主流ドラッグストアは、「総額表示のみ」、「本体価格+総額併記」に分かれる
2004年4月から、値札や広告などで価格を表示する場合には、消費税額を含んだ支払総額の表示が義務付けられる「総額表示方式」がスタートします(「総額表示方式」の仕組みについては、下のリンクをご参照ください)。以下では、2月に行われた消費者調査・小売店調査の概要をご紹介します。また株式会社インテージでは、今後もこの「総額表示方式」の影響などについて調査を行い、その一部は引き続き、本ホームページでご紹介していく予定です。

» 平成16年4月から「総額表示方式」がスタートします。 (財務省ホームページより)
調査結果

1. 消費者調査編

インテージは、4月1日から施行される「消費税総額表示」に先立ち、全国559人(有効回答)の既婚女性を対象に、2月13日~16日の期間で、消費税 総額表示についての認知度、および受容性についてインターネット調査(以下「2月調査」)を実施した。質問項目の一部は、1月中旬にも男女個人を対象に同様の調査(以下「1月調査」)を実施しており、1か月経過して、意識、行動に変化が出てきたのかもとらえている。

1-1. 総額表示の施行についての認知度

~「総額表示」への認知度は、1か月あまりで30ポイント近く上昇。専業主婦での「知らない」は半減

今年4月1日から、消費税が、「総額表示」(内税方式)になることを知っているかをたずねた。(図1)「具体的な表示方法まで知っている」と回答したのは18.6%、「なんとなく知っている」と回答したのが56.7%、「知らない」と回答したのが24.7%である。「具体的に知っている」「なんとなく知っている」の合計が75%以上となり、「1月調査」に比べ、30ポイント近く上昇した。前回認知度が低かった「専業主婦」同士でみると、6割近かった 「知らない」の回答が3割弱にまで半減し、理解が浸透してきている。(図2)
年齢別では、20代の若年層と50代の熟年層での理解がみられるが、30代、40代の中間層での理解はこれからとなりそうである。(図3)





1-2. 総額表示の表示方法のわかりやすさ

~わかりやすさでは「総額+本体価格+消費税額」が過半数でトップ

総額表示(内税方式)の表示方法は6種類となるが、わかりやすさでは「総額+本体価格+消費税額」の表示が50.6%でトップ、低いのは「本体価格+総額併記」の表示方法で5.5%である。(図4)


「2月調査」の6項目を、「1月調査」の4項目と同じ分類に置き換えて比較してみた。「2月調査」が既婚女性、「1月調査」が男女個人と、対象者の条件は異なるので一概にはいえないが、「総額に本体価格併記」の表示への支持が高い。(図5)

表示例

1-3. 表示方法の変更による心配

~心配は払拭されず。「将来の税率引き上げがしやすくなるのでは」86%、「便乗値上げ」が心配85%。傾向は1ヶ月前と同じ

4月1日から総額表示になるが、それに伴って心配、懸念されることはないか、何がいちばん気がかりになっているのかをたずねた。いくつかの項目は、前回も調査をしており、1か月経過しての推移をとらえた。心配な点は、「将来の税率引き上げに結びつくのでは」という回答が86%にのぼり、「1月調査」の83%とほぼ同じ傾向を示し、懸念は取り払われていない(図6)。同様に「便乗値上げへの心配」が85.3%と高く、奇しくも、「1月調査」と同値となっている(図7)。以下、「消費税額がわかりにくくなる 不安」61.7%(図8)、「総額表示に統一されわかりやすい」58.1%(図9)となっており、数値はいずれも「1月調査」と同様の傾向を示している。 「1円未満の端数切り上げ」は今回新たに質問したが、81%が心配、としており(図10)、「便乗値上げ」の一部としてとらえているようだ。









1-4. 買い物行動の変化はあるのか

~「四捨五入」と「1円未満切り捨て」とでは、「1円未満切り捨て」を選択。お店の対応によっては購買行動に変化も

総額表示に伴って、よく行くお店が1円未満を「四捨五入」する場合と、他店で「1円未満は切り捨て」した場合とで、お店を替えるかをたずねてみた。20代、30代の若い層で「お店を変える」が12%程度あり、「変えるかもしれない」をあわせると、若い層の7割程度が、「四捨五入」より「切り捨て」を選ぶ可能性がある。お店を変えない、としたのは10%程度であり、4月以降の小売店の対応によっては顧客が動く可能性もある。(図11)

1-5. レシートの記載方法

4月1日以降、消費税は総額表示に変更されるものの、レシートについては、表示変更が義務付けられていない。今までどおりの外税表示もあり得る。4月以降のレシートの記載方法についてたずねてみた。年齢別にみると、年齢が上がるに従って、レシートを変更していないお店では「あまり買わないようになると思う」割合が上がり、高齢層ほど、レシートも同時に変更してほしい、という意向の表れとみることができる。(図12)
これを、レシート変更の意識の高い、低いでみると、変更意識が高いグループは、3割近くが、変更しないお店では「あまり買わないようになる」と答えている。(図13)




「消費税総額表示」まで、あと1か月あまりだが、心理的な「駆け込み購入」があるのか、導入後、実際に購買行動に変化がみられるのか、レジスターの切り替えに始まり、流通の現場ではどう対応していくのかなど、「消費税総額表示」については今後しばらく目が離せない。

2. 小売店調査編

インテージでは、インターネットによる消費者調査と平行して、小売店(スーパー・ドラッグストア約170社)に対しても、調査を実施した。数値は速報値で、調査は今後も継続していく。

2-1. スーパーマーケット

スーパーマーケットでは、チラシ、店頭、いずれも「総額表示のみ」が6割程度と、ほかの表示方法を上回っている。レシートでの表示でも「総額表示のみ」 が6割近くになっており、スーパーマーケットでは、「総額表示のみ」が主流となっており、ほぼ、足並みがそろっているようだ。

2-2. ドラッグストア

スーパーマーケットが「総額表示のみ」の動きに傾いているのに比べ、ドラッグストアでは、チラシ、店頭での表示では「総額表示のみ」と「本体価格+総額併記」の2種類に分かれている。一方、レシートでの表示では、「従来どおり(外税)」が46.7%と半数近く、店頭での表示とレシートでの表示が異なる傾向にある。また、レシートの表示では、「検討中」が25%と、4分の1がまだ対応を決めかねている状況である。

3. 調査の概要

1. 消費者調査編

(2月調査の概要)調査期間:2004年2月13日~16日
調査方法:インターネットによる調査(Yahoo!リサーチモニター)
調査対象:全国20代~50代までの既婚女性
有効回答:559人

(1月調査の概要)調査期間:2004年1月9日~13日
調査方法:インターネットによる調査(Yahoo!リサーチモニター)
調査対象:全国15歳以上の男女個人
有効回答:421人(男性197人、女性224人)

2. 小売店調査編

調査期間:2004年2月~調査方法:FAXによる質問紙発送、記入後、FAX返送。
調査対象:スーパーマーケット・ドラッグストア
企業数:約170社(2月20日時点)

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インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

【株式会社インテージ・インタラクティブ】
株式会社インテージ・インタラクティブは、株式会社インテージとヤフー株式会社がインターネットを利用したマーケティングリサーチ事業を行うために、2002年10月に合弁で設立した会社です。大規模モニター(Yahoo!リサーチモニター:約20万人が登録)の利用によって、より市場を反映したデータを、インテージのリサーチノウハウを活かして 提供しています。資本金5,000万円。
※平成22年4月1日をもって株式会社インテージへの吸収合併

【Yahoo!リサーチ】http://research.yahoo.co.jp/
Yahoo!リサーチは、株式会社インテージ、ヤフー株式会社、両社共同出資の株式会社インテージ・インタラクティブの3社が共同して運営するインターネットリサーチサービスです。

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