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taspo(タスポ)所有状況と購入チャネル変化の実態
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  • 2008年7月下旬のtaspo所有率は喫煙者全体の33.1%にとどまる
  • 購入場所はコンビニエンスストア(52.9%)へと大きくシフト
マーケティングリサーチ最大手の株式会社インテージは、「taspo(タスポ)所有状況」および「タバコの購買チャネル変化」の実態を調査いたしました。
「taspo(タスポ)」対応の「成人識別タバコ自動販売機」は、今年7月より全国での稼働がスタートしましたが、taspo所有率は伸び悩んでいる様子が伺えます。そこで、当社が有するパーソナルユース商品の購買行動分析が可能な個人消費者調査personal eye(*)対象者に、その実態を調査し結果をまとめました。

■分析者:チーフ・アナリスト 畠 由佳子(はた ゆかこ)
<株式会社インテージ マーケティングソリューションユニット マーケティングソリューション部>
調査結果

分析結果

taspoの導入から購買チャネルが劇的に変化した

  • 男女で見ると、男性は「自販機」(46.2%→21.8%)から「CVS:コンビニエンスストア」(38.2%→55.3%)、女性は、「自販機」(35.3%→12.6%)から「CVS(34.1%→44.1%) or スーパー(17.1%→24.9%)」へシフト
  • タバコの購買(箱数)のうち78.5%が男性のため、トータルではCVSでの購買箱数構成比が37.5%→52.9%となっている

taspo所有率はひろがらず

  • 7月下旬の喫煙者全体(過去1年間に自分用・共用にタバコの購入経験があるモニター)のtaspo所有率(既に持っている+申込済み)は33.1%にとどまっている
  • 今年5月のtaspo所有率と、全国で「成人識別タバコ自動販売機」の稼働を開始した7月下旬の所有率を比較すると、男性は21.4%→35.3%へ増加。女性は15.1%→27.9%と約2倍となっている
  • 性年代別に見ると、50代男性が最もtaspoを取得しているが、それでも46.8%にとどまっている
  • 「申し込む予定」との回答も、5月は39.7%だったが7月には13.4%と減少、一方で「持っていない/申し込まない」が増加(5月38.0%→7月53.2%)している

調査背景と概要

taspo所有状況調査およびタバコ購入構成比データ

未成年者の喫煙防止対策の一環として、2008年7月より「taspo(タスポ)」対応の「成人識別タバコ自動販売機」が全国で稼働開始し、自動販売機でタバコを購入する場合は、成人のみに発行されるICカード、「taspo(タスポ)」が必要となりました。

インテージでは、当社が有する個人消費者調査personal eye(*)対象者に付帯調査にて、下記のとおりtaspo所有状況を調査しました。

[taspo所有状況調査]・・・personal eye 付帯調査
調査期間 :2008年7月17日~22日
調査エリア:京浜・近畿
対象者:personal eye対象者(20~59歳の男女個人:4,380人)
回収率:94.2%(男性:94%・女性95%)

*2008年5月にも同様の調査を実施


[タバコ購入構成比(箱数)データ]・・・personal eye 消費者購買データ
personal eyeモニターから日々送られてくる購買データを対象期間で集計したデータ
集計期間:2007年/2008年7月—8月(各2ヶ月間)
男女購入箱数構成比は、2008年7—8月計(2ヶ月計)
調査エリア:京浜・近畿
集計対象者:personal eye対象者(20~59歳の男女個人:4,380人)のうち、集計期間にタバコを自分用・共用で購入した人

また、personal eye対象者の中で直近1年(2007年8月~2008年7月)のタバコ実購買履歴データから「自分用」もしくは、「自分と共用で利用」と答えた人を喫煙者と定義し、喫煙者のtaspo所有状況、購買チャネルの変化を分析しました。

5月時点喫煙者n=2,516s(全サンプル=8,850s)
7月時点喫煙者n=2,528s(全サンプル=8,860s)

*ウェイトバック後のサンプル数。
実購買サンプル数に母集団にあわせたウェイト値をかけたもの。

※personal eyeでは、母集団の構成比にあわせたウェイトバック集計を行っています。
ウェイトバック集計とは、回収された調査データを母集団の実際の構成比に合わせてデータに重みづけして集計することをいいます。


【 (*) personal eye パーソナルアイ(個人消費者調査) 】
インテージの消費者パネルノウハウと、最新のITを融合させた消費者パネル調査。当社開発の小型バーコードスキャナーを使うことで、従来の家庭内消費だけではなく、清涼飲料や菓子など、家庭外(オフィス・学校・出先など)での購買行動が捕捉できる。調査対象は男女個人(15~59歳 5,000人/ただし今回の分析は20~59歳 4,380人)で、OL・サラリーマン・学生など多彩なユーザープロファイルをカバーしているため、パーソナルユース商品の購買行動分析が可能。

調査結果【personal eye 消費者購買データ】

1. taspo導入におけるタバコ購買チャネルの変化(2007年/2008年7~8月比較)

※20歳~59歳(京浜+近畿)

personal eye消費者購買データにて、taspo導入後の2008年7~8月2ヵ月のチャネル別購買状況を昨年同期間と比較した。
2007年のタバコ購買チャネルは、自販機が44.1%とトップであったが、taspo導入後の2008年では、CVS(コンビニエンスストア)が52.9%で大きく増加、自販機は19.8%と大きく減少していることがわかる。

2. 男女別taspo導入におけるタバコ購買チャネルの変化(2007年/2008年7~8月比較)

※20歳~59歳(京浜+近畿)

男女別に購買チャネルの変化を見ると、男性は自販機での購入が半減し、CVS(コンビニエンスストア)の購買が55.3%と増えた。一方、女性は、CVSとスーパーでの購買構成比が、ともに増えていることがわかる。ただし、男女別タバコ購入箱数構成比は、約8:2(参考参照)のため男性の購買傾向がトータルには強く影響している。



調査結果【PEAS:personal eye付帯調査】

※PEAS: personal eye additional survey

3. taspo所有状況(2008年5月 ⇒ 7月)

※20歳~59歳 喫煙者ベース(京浜+近畿)

自販機でタバコを購入する場合、2008年7月以降はtaspoが必要となった。そのためtaspo非所有者(喫煙者の約67%(*))は、taspoがなくてもタバコを購入することができる自販機以外、特にCVSへ流れたと推測される。
以下は、taspo開始前の5月と開始後の7月のtaspo所有状況(京浜&近畿)を比較したデータである。

※喫煙者=直近1年のpersonal eyeデータ(消費者購買データ)から、自分用もしくは共用でタバコを購入したpersonal eye対象者 (*) personal eye付帯調査より

taspo所有者率(既に持っている+申込済み)は、19.6%(5月)から33.1%(7月)に増えた。
「申し込む予定」と回答していた割合は、5月に比べ7月には減少し、一方で「持っていない/申し込まない」が増えている。

4. 性年代別 taspo所有状況(2008年5月 ⇒ 7月)

※20歳~59歳 喫煙者ベース(京浜+近畿)

personal eye付帯調査結果から性年代別にtaspo所有状況を見ると、7月には喫煙者ベースで、男性35.3%・女性27.9%。特に男性50代は、喫煙者の約半数は、taspoを所有している。

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インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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