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メディア&チャネルレポート2016
PICK UP
  • 1日のデバイス利用時間は、30代まではスマホ、50代以上はTV、40代は分岐点
  • スマホはお気に入りのアプリで自分らしく快適に、全世代の必携ツールとして広がっている
  • ECチャネルでの買い物は、日用品のジャンルに広がりが
  • 施策が刺さりやすい「スマートフォンで買い物する人」
  • スマートフォンで買い物する人は、動画やブログと高相性

株式会社インテージは、インターネットやテレビなどの広告・情報視聴と購買行動や生活者の属性情報の関係性を捉えることができるi-SSP(インテージシングルソースパネル)のデータと、購買行動ログデータSCIを用いて分析した、『メディア&チャネルレポート2016』をまとめました。

近年、スマートフォンの爆発的な普及や数々の動画視聴サービスが登場し、明確に”モバイルシフト”が進んでいます。その流れは若年層だけでなく全世代でTV、PC、モバイルとの接し方が変化しようとしています。
“モバイルシフト”の影響を与えているのは、情報との接し方だけではありません。生活者の暮らし方全般、もちろん買い物行動にも影響しています。ECチャネルの伸長は、以前よりインターネットの浸透とともに進んできた変化です。それがいま、モバイルシフトによる買い物行動の変化を背景に、マルチチャネルからオムニチャネルへの変革が求められるようになっています。

本レポートでは、生活者行動とメディア接触、モバイル利用が進むEC購買を捉えることができます。
生活者のパソコン、モバイル、TVの利用実態をメディア接触ログデータi-SSPを用い、ファクトで捉えました。
また、モバイル利用が進む中、ECチャネルでの買い物行動も変わっていくのか? 購買行動ログデータSCIで、利用デバイス別のEC購買実態を捉えました。さらに、購買行動を捉えた同一人物のメディア接触実態をi-SSPのシングルソースデータで分析。「モバイルで買い物をする人」と相性のいいメディアを探りました。


調査概要
調査方法
i-SSP(インテージシングルソースパネル)、SCI、SCIvois
調査対象
デバイス
テレビ・パソコン・タブレット・スマートフォン
 
調査実施機関
株式会社インテージ

調査結果

本レポートのポイント

Ⅰ.生活者行動とメディア接触の現在


1日のテレビ、パソコン、スマートフォンの利用時間は、30代まではスマホ、50代以上はTV、40代は分岐点

どの年代層も、スマホにお気に入りのアプリを入れて、自分らしく快適に

高齢層をターゲットにした動画コンテンツの需要の高まりが予想される

Ⅱ.モバイル利用が進む現在のEC購買


ECチャネルで買う日用品のジャンルに広がり

買い物の仕方にデバイスの特徴が反映

スマートフォンでの買い物はパソコンよりも雑貨寄り

施策が刺さりやすい「スマートフォンで買い物する人」

スマートフォンで買い物する人は、動画やブログと高相性

Ⅰ.生活者行動とメディア接触の現在

朝、電車に乗ってイスに座って、ふと前の座席に目をやるとほぼすべての人がスマートフォンを眺めている、そんな風景も最近ではめずらしくなくなってきました。
今、スマートフォンは中高齢層への普及期を迎え、全世代の必携ツールとして拡がっています。スマートフォンの普及によって、テレビの視聴時間やPCの利用時間、さらに楽しみ方はどのように変化しているのか? Youtube、Hulu、Netflix等の登場によって、動画コンテンツの楽しみ方はどう変化しているのか? 当社の保有するログデータから、そうしたテーマに迫ってみました。


Ⅰ-1.1日におけるテレビ、パソコン、スマートフォンの利用時間 ~30代まではスマホ、50代以上はTV、40代は分岐点~

各デバイスの1日あたりの平均接触分数は、年代が若くなるにつれ、スマートフォンは長く、テレビは短くなっています。一方、年代があがるにつれて、スマホは短く、テレビは長くなっており、年代によって各デバイスの利用時間が異なる傾向があることがわかります。その傾向は男女ともに40代を境にみることができ、30代以下では1日の中でテレビの視聴時間よりスマホの画面を眺めている時間の方が長くなります。
現在の30代といえば、1980年前後に生まれた、いわゆる「デジタルネイティブ」な世代。学生時代からインターネットやパソコンを利用する環境の中で育ってきた世代です。彼・彼女らにとっては、可処分時間の一番の使い道はテレビではなくネットやスマホのようです。


[図表1]
各デバイス利用者の1日あたり平均接触分数


Ⅰ-2.スマートフォンアプリの利用率 ~どの年代層も、スマホにお気に入りのアプリを入れて、自分らしく快適に~

◆「LINE」は広い世代に普及

2011年6月にリリースされた「LINE」は、全年代で普及が進んでおり、スマホ利用者のうち、M3層で59%、F3層では77%に活用されています。
メール以上に手軽に、簡単な意思疎通なら文字を打つことなくスタンプでOK!なところは、若年層だけでなく、中高齢層にとっても魅力的なものです。スタンプもかわいいものから落ち着いたものまで自由に選べるので、自分の年代や自分らしさを投影したスタンプをダウンロードして楽しむことも可能です。そんなところも「LINE」が全年代に普及している背景にあるように思います。

◆「Youtube」を筆頭に拡がる動画視聴

「Youtube」もM1・F1~M2・F2層では約6割の利用率になっています。M3・F3でも約4割となっており、スマホによる動画視聴が中高齢層にも拡がっていることがわかります。

各年代層別では、M3層で「スマートニュース」や「グノシー」、「GYAO!」 が高くなっていることも特徴的です。「最近、電車の中で新聞をバサバサ開く音が聞こえなくなってきた」と感じる人も多いかもしれません。自分専用のスクリーンで、ニュースや動画をみる楽しみが、全年代に拡がってきたと捉えることができます。
F1層に着目してみると、「Instagram」や「アメブロ」が、他年代に比べて高くなっています。この他にも、最近では、「MERY」や「TRILL」など女性に特化したWEBメディアの人気が高まっています。
どの年代層も、自分の好きなコンテンツを、自由なタイミングで、スマホで手軽に楽しむ姿が想像されます。

[図表2]
層別アプリ利用率


Ⅰ-3.新しい動画コンテンツの利用状況 ~高齢層をターゲットにした動画コンテンツの需要の高まりが予想される~

2015年は「Netflix」をはじめとして、新しい動画視聴サービスがいろいろと登場して話題になった一年でした。9月には「Netflix」が日本でのサービスを開始し、最新のテレビのリモコンにあらかじめ「Netflixボタン」が設置されるなど、視聴環境の整備も同時進行して視聴者は増え続けています。10月には民放キー局が立ち上げた「TVer(ティーバー)」がリリースされ、リアルタイムで見逃してしまった番組をWebやアプリで放送後でもみることが可能になりました。

新しい動画コンテンツの楽しみ方をみると、普段からTVの接触量の多い高齢層でも新しい動画視聴サービスを積極的に楽しんでおり、先行してサービスを開始した「Hulu」の月間の平均接触率は、高齢層になるほど高くなっています。また「Youtube」も若年・中年層に迫る接触率となっています。
高齢層をターゲットにしたネットの映像コンテンツの需要が今後ますます高まることが予想されます。

[図表3]
年代別動画視聴サービス利用率


Ⅱ.モバイル利用が進む現在のEC購買

Web閲覧時のデバイスは、モバイルが徐々に伸び、利用するデバイスによってユーザー像が大きく異なっています。
デバイスの変化やユーザー像の違いは、ECチャネルでの買い物行動にどのように表れるのでしょうか。
メーカーの取組が進み、注目度の増しているECチャネルの利用行動を『デバイスの違い』から捉えました。

 
※今回のレポートの対象はメーカーの施策に直結するルート(ネット通販、ネットスーパー)での行動を捉えるものとし、生協・酒屋・牛乳の宅配は除いています。
 

Ⅱ-1.ECチャネルにおける日用品の買い物行動 ~ECチャネルで買う日用品のジャンルに広がり~

◆利用頻度が増えてヘビー化

ECチャネルでの買い物行動に特に見られた変化は、利用者あたりの利用回数の増加でした。購入するカテゴリーの数も徐々に増えており、ECでの買い物の幅が広がっていることがわかります。


[図表4]
ECチャネルでの買い物行動推移


◆日用雑貨品の購入率が上昇

中分類別にECチャネルでの購入率の推移をみると、パーソナルケア、ハウスホールド、衛生用品といった日用雑貨の購入率の上昇が目立ちます。これらをECで買う人が増えたことが、買い物の幅の広がり、購入機会の増加に影響していると言えそうです。

[図表5]
ECチャネルでの年間購入率推移(中分類別)


Ⅱ-2.デバイスによるECチャネル利用実態の違い ~買い物の仕方にデバイスの特徴が反映~

モバイル端末利用者とパソコン利用者はどのように行動が違うのか、日用品を買う時に利用するデバイスを聴取し、それぞれの行動を比較してみました。
※調査は2015年の1年間の2回以上EC利用者に対して実施

◆スマートフォンでの買い物はいろいろな場所で、短時間で

スマートフォンで日用品の買い物をする場所は、自宅以外にも職場や学校といった出先や移動中も多く、1人当たり平均1.8か所と、多くの場所で買い物をしていました。
1回の買い物にかける時間は10分程度の人が最も多く、他のデバイスと比べて短時間で買い物をしていました。

◆タブレットでの買い物は、パソコン同様主に自宅で、スマートフォン同様短時間で

タブレットは、携帯性という点でパソコンに近く、外での買い物が少ない一方で、買い物にかける時間10分程度の人が最も多く、パソコンよりもスマートフォン寄りという様に、それぞれの特性を併せ持っていることがわかります。

[図表6]
利用デバイスによる「日用品の買い物をする場所(M.A.)」の違い


[図表7]
利用デバイスによる「日用品の買い物にかける時間(S.A.)」の違い


Ⅱ-3.デバイスによるECチャネル利用実態の違い ~スマートフォンでの買い物はパソコンよりも雑貨寄り~

それぞれのデバイスでの買い物実態を、『日用品をECチャネルで買う時に、主に使うデバイス』で人を分けてSCIデータで比較しました。

◆主にスマホで買い物する層は20~30代女性中心。買い物量は少ないが、雑貨品の購買行動は浸透

主にスマートフォンで買い物をする人は、パソコンやタブレットで買い物をする人よりもECチャネルでの買い物回数が少なく、買うカテゴリー数も少なくなっています。
一方で、中分類別の購入率は全体的に低い中、「パーソナルケア」「ハウスホールド」「衛生用品」といった日用雑貨品の購入率はパソコンで買い物をする人より高く、「雑貨品を買うならECチャネルで」という行動をとりやすいようです。

[図表8]
各デバイスメイン利用者の性年代構成比


[図表9]
各デバイスメイン利用者のECチャネルでの買い物行動


[図表10]
各デバイスメイン利用者のECチャネルでの中分類別購入率


Ⅱ-4.デバイスによるECチャネル利用実態の違い ~施策が刺さりやすい「スマートフォンで買い物する人」~

◆EC購買に誘導されやすいのは主にスマートフォンで買い物をする層

主にスマートフォンで買い物をする人は、ユーザーレビューやテレビ・雑誌・ネットの情報に接して商品を買うことが比較的多くあり、メーカー施策から購入への誘導に繋がりやすいと言えそうです。

[図表11]
各デバイスメイン利用者の商品の選び方の違い


Ⅱ-5.EC購買に誘導されやすい層のメディア接触特性 ~スマートフォンで買い物する人は、動画やブログと高相性~

情報接触から購買に誘導されやすい「主にスマホで買い物をする層」はどのような情報接触をしているのでしょうか。i-SSPのメディア接触ログデータを見てみました。

◆主にスマートフォンで買い物をする層は、YouTubeの利用が特徴的に多い

主にスマホで買い物をする層は、YouTubeの利用率が全体と比べて特に高く3位に入っています。この層に情報をリーチさせる上では、利用率の高いSNSや情報ポータル以外に、動画サイトとの相性もよさそうです。
他に特徴的だったのは、モバイルアプリでは「楽天市場ショッピングアプリ」、「クックパッド」、モバイルサイトでは、ブログ系やグルメ系とショッピングサイト、日本郵便でした。この層のECでの積極的な買い物行動と、 情報源のジャンルの広さが伺えました。

[図表12]
スマホメイン利用者のモバイルアプリ・サイト利用率(Android)


※本レポートに使用した当社調査データについて
SCI(全国個人消費者パネル調査)
全国男女50,000人のパネルモニターによる食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品に関する消費者市場動向のトラッキングサービスです。 パネルモニターが携帯端末で購入した商品のバーコードをスキャンし、インターネット調査画面から、その商品を購入したチャネルや個数・金額などを入力することで、消費者購買行動が分析できます。

i-SSP(インテージシングルソースパネル)
当社の主力サービスであるSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者からパソコン・スマートフォンのWebサイト・アプリ閲覧やテレビ視聴情報に関するデータを収集するものです。当データにより、テレビ・パソコン・スマートフォンそれぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。また、調査対象者に別途アンケート調査を実施することにより、意識・価値観や耐久財・サービス財の購買状況を聴取し、あわせて分析することも可能です。
※「i-SSP」と「シングルソースパネル」は株式会社インテージの登録商標です。



※同じ内容をPDFでもご覧いただけます。 メディア&チャネルレポート2016(PDF)


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ex)
インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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