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アジアインサイトレポート第5弾『インド市場実態調査〜自動車編〜』
PICK UP
  • インドにおける現保有メーカーは「マルチ・スズキ」がトップ
  • 次期購入意向メーカーは「フォルクスワーゲン」がトップ
  • インドの燃料事情により、今後もディーゼル車の需要が高くなると予想される

株式会社インテージは、アジアの人々の意識や行動を探るため、インテージグループ各社と協力し、アジア地域の人々を対象にさまざまなテーマで実施した自主企画調査「アジアインサイトレポート」を発行しています。
第5弾のレポートでは、『インド市場実態調査〜自動車編〜』を発表します。本調査は、2013年7月にインドの20〜50代一般男女300人を対象に自動車に関する調査を実施し、結果をまとめました。

調査概要
調査方法
インターネット調査
調査地域
インド
調査対象者
20〜50代の一般男女
サンプル構成
男性150人/女性150人の合計300人
調査期間
2013年7月
調査実施機関
株式会社インテージ
分析者
小田 浩樹(INTAGE INDIA Private Limited)、高橋 雅志(株式会社インテージ DCG・サービス事業本部)
調査結果

1. 現在保有している自動車のメーカーは「マルチ・スズキ」がトップ

現在保有している自動車のメーカーは、MARUTI SUZUKI(マルチ・スズキ)が34.3%でトップ。次いでHYUNDAI(ヒュンダイ)、HONDA(ホンダ)の順である。

[図1]
現在所有している自動車のメーカー(上位10社)

2. 次期購入意向メーカーでは「フォルクスワーゲン」がトップ

次期購入意向メーカーは、VW(フォルクスワーゲン)が25.7%でトップ。次いでHYUNDAI(ヒュンダイ)、MARUTI SUZUKI(マルチ・スズキ)の順である。

[図2]
次期購入意向の自動車のメーカー(上位10社)

3. インドの自動車市場の状況と各社の動向

現在、インドの自動車市場において、「現保有メーカー」はMARUTI SUZUKI(マルチ・スズキ)が最も多く約1/3を占め、次いでHYUNDAI(ヒュンダイ)、HONDA(ホンダ)の順である。しかし、「次期購入意向メーカー」としてトップにあがったのはVW(フォルクスワーゲン)となった。

その背景として、インドの燃料事情がうかがえる。インドでも石油価格の高騰が続き、軽油(ディーゼル)とガソリンの価格差は開く一方である。 デリーにおいて、2010年9月〜2013年9月の3年間で、軽油(ディーゼル)価格は約14ルピー上昇したが、ガソリン価格は約24ルピー上昇した。よって、今後もディーゼル車の需要は高くなると予想される。

さらに、現保有メーカーでトップだったMARUTI SUZUKIは、ディーゼル車への対応だけでなく、郊外での販売を強化していた。ディーゼル車市場は激戦となる中、MARUTI SUZUKIが取ったこのようなプラスαの戦略がキーポイントとなりそうだ。
次期購入意向でVWがトップとなったひとつの大きな理由として、昨年12月に発表された「ポロ」の新型モデル「クロス・ポロ」への期待の高さが表れたと考えられる。1.2リットルのディーゼルエンジンを搭載したこの「クロス・ポロ」は今年8月に販売が開始された。

【Maruti Suzuki India Limited】
2002年にスズキが「マルチ・ウドヨグ」を子会社化し、2007年の社名変更によりインドでは「MARUTI SUZUKI(マルチ・スズキ)」として浸透しており、「現保有メーカー」ではトップ。 MARUTI SUZUKIのアニュアルレポートによると、大きく2つの理由があると分析している。
1つは、ディーゼル車の販売増加と、郊外での販売が好調なのが牽引したとしている。ガソリンと軽油(ディーゼル)の価格差(デリーではガソリンの方が約25ルピー(約39円)/リットル高い※2013年9月時点)を目の当たりにし、ディーゼル車の製造を強化した。
もう1つは、TierII、TierIII[*1]の郊外まで販売網を広げ、販売にマンパワーを注いだことで、TierII、TierIIIでの販売台数は前年度より約3%(約46,000台)アップした。「次期購入意向メーカー」としては約21%という結果ではあるが、競合メーカーの動きも盛んになってきており、これからも競争激化の状況が続くと思われる。

[*1]TierII:人口100万人以上400万人未満の都市。TierIII:人口50万人以上100万人未満の都市]

【Honda Cars India Ltd.】
HONDA(ホンダ)は、「次期購入意向メーカー」においてTOYOTA(トヨタ)と同率4位。今年販売開始した小型セダン「Amaze(アメイズ)」が絶好調であることがひとつの理由だと推測できる。 その「Amaze」は、価格を抑えたディーゼル車ということで燃費重視の消費者の評価も高く、低迷するインドの自動車市場において、販売台数を伸ばしているのが現状だ。また、HONDAもMARUTI SUZUKIと同様に、TierII、TierIIIの市場に潜在成長力があると期待しており、この「Amaze」でTierII、TierIIIの市場を狙うとコメントしている。

【Volkswagen India Private Limited】
VW(フォルクスワーゲン)は、「次期購入意向メーカー」においてトップ。ハッチバック「ポロ」の新型モデル「クロス・ポロ」をインドで発売したことがそのひとつの理由であろう。 「クロス・ポロ」は1.2リットルのディーゼルエンジンを搭載。前後のバンバーやホイールアーチ、ミラー、ルーフレールなどを改良したのが特徴。スポーツ性を兼ね備えたクロスオーバースタイルで、プレミアム・ハッチバックを求める顧客をターゲットとしている。また専門家は、「たくさんの特徴と、印象的な燃費性を兼ね備えたクロス・ポロは、確実にインド市場に受け入れられるだろう」と期待している。

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インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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