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もうデータに埋もれない!ツール活用で変わるマーケティングプランニング
~iTreeによる探索的データ活用と効率化~

株式会社マンナンライフ
 営業開発本部 商品開発部 広告企画デザイン課 係長 斉藤 麻子氏
  林 千紘氏
  髙岸 郁実氏

発売から約30年の長きにわたって愛されている「蒟蒻畑」。ロングランを続けている強いブランドだからこそ抱えている悩みがあるようです。商品開発部で商品の広告やパッケージなどを主に担当されている斉藤麻子氏、林千紘氏、髙岸郁実氏は、インテージのiTreeを活用することで、業務の効率化とコミュニケーションの円滑化、そしてご自身の仕事の進め方にも変化を実感しているそうです。そこで皆様に具体的なお話をうかがいました。

文中敬称略

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最初に、蒟蒻畑の生い立ちをお話しいただけますか。

斉藤:当社はもともと蒟蒻芋の農家からスタートしています。やがて加工品としての蒟蒻を製造するようになり、その後大きな変革期が2回ありました。
1つ目は蒟蒻の粉を作る機械の製造販売です。蒟蒻を精製して粉にする過程で、空中に舞う粉が原因で起こる下仁田喘息でこの地域の皆さんが苦しんでいた時期がありました。それを見た創業者が、公害の起きない蒟蒻の粉を作る機械を作りました。その後、より品質のいい粉を作ろうという取り組みが始まり、この高品質な粉をどう活用していくかが次の変革につながります。
当初は、高品質になった粉を、ダイエットブームに乗って女性に向けて売り出しました。そして、粉だけでなくどんな商品に展開できるかと試行錯誤する中で、ジャムやペーストみたいなものの進化系として今の蒟蒻畑ができあがりました。ここが2つ目の変革期です。
蒟蒻がもともと持っているダイエットや健康のイメージと食感のイメージが結びついて、そのままお菓子になったという点が、蒟蒻畑が多くの方に受け入れられた理由だと思います。商品の設計が上手だったということではないでしょうか。それに加えてフラダンスのCMの、ダイエットのイメージの斬新な構成や、当初は「おいしいついでにおなかもキレイ」、今は「おいしくておなかもキレイ」というキャッチコピーが良かったのだと思います。従来のお菓子とはちょっと違ったラインの蒟蒻という商品だったという点も奏功しました。もうすぐ30年、今年(注:インタビュー時点の2019年)28年目の蒟蒻畑がここまでロングランで愛されてきたのは、そういった色々な、ちょっとした努力の積み重ねであったり、お客さんの気持ちをつかむちょっとしたアクセントがあったからなのかなと思います。

ロングランを支えてくださっているファンはどのような方々なのでしょうか。

林:蒟蒻畑は40代から50代の女性の方です。蒟蒻畑が発売後30年近い長い商品なので、当時20歳くらいだった方たちがずっとファンでいてくださっています。

髙岸:その方々が主におやつとして食べていただいているのだと思います。また、お弁当に入れて食後のデザートにしているという写真がインスタグラムにアップされていて、実際のユーザーの方が撮ってくれているのがすごくうれしいです。しかもプロが撮ったんじゃないかというきれいな写真が多い。あとはお風呂上りに食べるとか、ダイエット中のデザートとしても食べていただいているのかなとか。

すごくいいアピールになりますね。いいところをうかがってきましたが、蒟蒻畑の課題はありますか?

斉藤:ブランドが強く大きすぎるので、何もできないというか、何かをするのが怖いというのが課題のひとつです。商品の中身では、食感の部分や、最近では高甘味度甘味料などが主流になって低カロリーというブームの中で、当社はその流れにはいかず、ずっと同じ味を展開してきました。パッケージも、蒟蒻畑のロゴとフルーツの新鮮さを打ち出すというコンセプトは変えずに、色のイメージもすべて守っていくというのをしっかり作り上げてきました。このため、何かを変えてしまったら売り上げが落ちるのではないかという不安がつきまといます。一方で、現在のブランド価値やコンセプトを守りつつ、いかに新規の顧客をつかむかというところも課題です。

完成された商品、ブランドであるがゆえの贅沢な悩みなのかもしれませんね。20代や30代の人の方にはどんなアクションをされているのでしょうか。

斉藤:インスタグラムで当社の商品全体として打ち出したりはしていますが、蒟蒻畑は完全に守りの姿勢です。ただ、2019年は当社が創業50周年でしたので、それを記念して全国7つのエリアでご当地蒟蒻畑を発売しました。北海道はメロン、東北は佐藤錦、関東甲信越はとちおとめ、中部は西尾の抹茶、近畿がミックスジュース、中四国が柚子、九州があまおうで、そのエリアでしか買えないという商品展開を初めて試みました。ゼリー商品は一番売れるのは春夏で、お盆過ぎには下り傾向になるのですが、ご当地蒟蒻畑は今年の9月以降に発売したので、その時期に売り上げをしっかり作れたというのは大きな成果です。お客さんの反応もよく、SNSでも投稿してくれた方々がかなりいました。

蒟蒻畑初の大冒険は、大成功だったんですね。

林:インスタなどを見ていると、アレンジして写真をUPしてくれている30代のママも結構いたので、若い世代にも届いたなという実感がありました。

斉藤:ララクラッシュは若い人向けと言いたいところですが、現状は蒟蒻畑と同じような購買層というのも今の課題です。ユーザー拡張の対策としては、蒟蒻畑には触れずに、ララクラッシュで異なるユーザー層を補完して売り上げを伸ばしていきたいのですが、同じ袋、同じ容器、似たようなデザインなので、違うような、似たようなものに見えてしまい、そこの線引きが難しいところです。

そのような課題に対して、インテージのiTreeを活用いただいているとうかがいました。

斉藤:そうなんです。20年3月にララクラッシュの大リニューアルをするのですが、そのプランニングにiTreeを使い倒しています。それこそ毎日iTreeを見ました。iTreeを見て見て見て見て(笑)。広告クリエイティブとパッケージデザインをトータルでプロデュースするというのを目指しました。

髙岸:本当に、iTreeを使いながら課題を抽出していきました。パッケージを検討するにあたって、ララクラッシュが今どういう位置にいるのかを蒟蒻畑や競合商品と比較したりしながら、ユーザーさんの特徴や売り上げの推移を見て課題を具体的に探しました。蒟蒻畑とユーザーが重複しているところをまず見つけたり、昨年と比べてどの層のユーザーが減ってしまっているのかなどを分析したりしました。それで、蒟蒻畑と重複しない、ララクラッシュが主役になるところと、減ってしまったユーザー層を取り戻すということを目標にしてララクラッシュのリニューアルの検討を始めました。iTreeを使ったことで、課題をすぐに社内の者に伝えられること、そして同じグラフを見ながら考えられるので、私たち3人が一心同体となって意識を共有できたことがよかったと実感しています。

斉藤:検討を始めてからは早かったです。パッケージも広告も、コンセプトの方向性が一緒なので、パッケージのコンセプトを作ったら、それをそのまま広告代理店さんに見せて広告をお願いしました。パッケージをユーザー分析しながら作るのは初めてでした。

林:でも、「こういう人に買ってもらいたい」というのがぱっと浮かびました。

斉藤:そうなんです。今まではこういう女性に買ってもらいたいから作ろう、と思い込みで(ユーザー像を)作り上げてしまっていました。でも、データを見ることで思い込みではないユーザー像がだんだん浮き上がってくる。それをチームの中の共通認識として共有できたことがとてもよかったと思います。

髙岸:さらにiTreeを皮切りにして、ベンチマーク調査や過去の調査を引っ張り出してより深く分析したりしました。iTreeの分かりやすいところで見たものを、深いデータでより探し込んで見ていくことで、思いつきではなくしっかりデータを見ながらターゲットの人物像を作っていくことができました。

共通言語化されたということと、探索的にデータをうまく活用するサイクルが出来上がっている感じがしますね。まずはiTreeを見て、そこからアドホック調査を見て、それが皆さんの思考とつながって回っていく。

斉藤:そのとおりです。インテージフォーラムで檜垣さんと話したときにも「データがあって、自分たちが考えなきゃいけないところが本当に大切なところですよ」と。それを言われたときに、私たちがやっていることは間違っていないと自信がつきました。私たちがiTreeを使ってやっているのは、そういうところがあります。データを見て、さらに考えを膨らませる、そこがすごく楽しいんです。iTreeを使うことによって発見できたというか、成長できたことですね。先日も(iTree開発者の)インテージ飯野さん、坂爪さんにマーケティング研修をしてもらいましたが、一番心に響いたのは「データに埋もれない」というところ。何をしたいか段取りをつけた上で、それに適切なデータを探すという話がありました。これを知らなかったら埋もれていたなと思います(笑)。

iTreeを上手に活用されているのですね。iTreeを使うようになった前と後で変わったことはありますか。

斉藤:たくさんありますよ。例えばCM。2019年9月に新しいCMを流しましたが、いざCMを作ろうとなったらゼロベースで話が始まります。予算があって、このくらいのGRP、というのは決まっていますが、誰に向けて何を流すかは何もない段階から考えていきます。従来は、うちのクラッシュのクリエイティブは「OLさん向け」「20代-30代向け」「オフィスで働いている女性や男性」といったユーザー層に向けた訴求が多かったので、今回はそのうちのどれにする、というように検討を進めていました。
でも、今はまずiTreeを開いて分析します。どの世代の方が買っているかとか競合はどうなのかをSCI(全国消費者パネル調査)で見てみると、競合に比べてうちの商品は10代20代の女性が多いということに初めて気づき、今回は10代に向けてチャレンジしたいということになりました。どういう10代なのかをさらに見てみると、「自宅通い」が多い。「自宅通い」が多いのは、20代や社会人も同じ傾向でした。「自宅通い」の特徴を考えてみると、割とお金が自由になる、食事に切羽つまっていない、栄養がちゃんと足りている、といったことが見えてきます。さらに価値観軸を見ると、「自分を貫いている」みたいな人物像で独特なんです。そんな分析から今回のコミュニケーションターゲットは、自宅から通っていて、お母さんが家にいて食事もちゃんと摂れていて、自分の趣味など自由に遊んでいて、自分らしさを大切にしている10代の若い子、というイメージが浮かびました。これらを資料に盛り込んで会社にプレゼンしました。今までは代理店さんやインテージさんからデータをもらったりして、資料を作成するのにすごく時間がかかっていたのですが、iTreeを使うと数時間でここまでたどり着けます。社内で企画案をプレゼンするときも、価値観って特に感覚的になりがちですが、iTreeで分析したデータを見せるので、社内の説得が早くOKがすぐに出る。さらに、自分たちが持っているデータとCMを作ってくれる会社さんが持っているデータで、データという共通言語を使ってしっかり話し合いができる。一方的な情報だけではなく、自分たちなりの考えをしっかり提案することによって、いいCMが出来上がることを実感しました。
10代の方に向けて「独特な個性を持つCM」を作ることを目指しましたが、ジェンダーレスの井手上漠さんを起用していることに1番のみそがあるというCMになっています。放映されて2-3日くらいで狙ったとおり10代の子たちからの反響がSNSですごかったです。井手上さん自身の発信に対しても反響があったりして、そのときのクラッシュの売り上げも伸びましたし、今も安定して伸びています。先日井手上さんの所属事務所が決まりましたが、うちが1番に目を付けたんですよ(笑)。

iTreeを活用することでお仕事の質が大きく変わったのですね。「働き方」にも影響があったと聞いていますが、どのようなことでしょうか。

斉藤:当社の営業は商談のための資料を自分で作っているのですが、大きな商談があると「資料を作ってほしい」という依頼が私たちの部署に来ることがあります。今まではその依頼をインテージさんや代理店さんにお願いすることが多かったのですが、お互いのかみ砕きにとても時間がかかっていました。iTreeを使うようになってからは、私たちが自分で、一瞬で資料を作れるようになったので、効率化につながっています。

営業の方は自分でデータを使って資料を作っているのですか。

斉藤:実は、iTreeは営業部がもともと導入したんです。よく使っているのでこちらに管理が回ってきたというのが、私たちが使うようになった経緯です。うちの営業は結構特殊な体制で、営業所は1つもなく、群馬県富岡市を本拠地にして、それぞれの営業が担当地域を単独で回っています。ですから、営業同士でなかなか情報共有ができないという課題がありました。その点iTreeはパソコンを開くと最新のデータがすぐにデータを見られるし、みんなとの共有がスピーディにできます。

なるほど、iTreeの導入前は、渡されたデータを使って営業の皆さんそれぞれが苦労して資料を作っていたのですよね?

林:私はこの春まで営業にいて、ちょうどiTree導入のタイミングで今の部署に異動しました。iTreeのBefore-AfterのBeforeです(笑)。私は北関東を担当していましたが、iTreeはまだありませんから、数字の羅列を見ながら、必死に資料づくりをしていました。ちゃんとデータはもらっているのですが、まずまとめ方が分からない。そしてまとめるのに時間も手間もかかります。また、1人が持つエリアが広く、しかもひとり1エリアなので、これで読み方あっているのかな?と思っても相談できず不安でした。今の営業に聞いたら、店頭回転率やアイテム別の実績、価格もiTreeで見られるので、提案できる幅がすごく広がり、資料作成もワンクリックですぐにでき、データの読み方も簡単になったのですごく助かると言っていました。資料作成の時間が短くなったので、提案内容をブラッシュアップしたり、よりたくさんのお客さんのところに行けるようになっています。

使い勝手やハンドリングのしやすさなど、ツールとしてはいかがですか。

髙岸:1番最初にiTreeを使い始めるときの説明会でもらった、こういう問題があったときはここを見るというフローを示した資料がとても分かりやすくて助かりました。ユーザーが減っていたらここを確認、CMをやっているのに伸びなかったら認知を見てみようというように具体的なデータの見方があって、それをもとにCMをやった後の結果を見たりしました。そのシートとiTreeがあれば、マーケティングの知識がなくても、使いやすい、分かりやすいと実感しました。

iTreeは社内的にはどのくらい使われていますか。

林:営業は全員使っていると思います。

斉藤:1番使っているのは私たちですが、役員や部門長レベルも見ています。会議ではiTreeを使って作った資料も多いです。小さい会議ではiTreeそのものを使いながら話をすることもあります。また、今後は商品の開発にもiTreeを活用していきたいという思いがあります。今は社内の若手メンバーを各部署から集めて、コンセプト設計だったり企画部分を考えていますが、そういったプロジェクトに参加しているメンバーにも、一緒にiTreeを見て色々考えてもらえたらと思っています。

最後にインテージやiTreeに対して期待や要望があれば教えてください。

斉藤:インテージさんにはだいぶよくしていただいています。

林:さっき営業の人にも聞いてきましたが、結構みなさんうまくiTreeを使っているみたいです。要望としては、1年間のデータのグラフを一目で見られるというのがありますが、2年前との比較が出来るようになるとよりよいと言っていました。あと、前年同月比だけでなく、その1カ月前のデータと比較したいことがあります。それができるようになると尚うれしいです。

斉藤:私はもっとオケージョンとか、色々なクロスが見たいですね。例えば、売り上げのデータを男女別、年代別、地域別など細かいセレクトをして、金額や個数のクロス表が全部一発でポンとできたらすごくいい!どんな人なのかといった価値観データと食シーンが結びついたら最高!

使いこなされているがゆえのワンランク上の要望かもしれませんね(笑)

斉藤:すごく使っているから思い入れもすごいんです。本当に知識がないところから3人でスタートしているからこそ、がむしゃらに何かに飛びつくしかないという姿勢もある。とりあえずiTree大好きという感じです!

開発者が聞いたら泣いて喜びますよ(笑)。本日はお忙しい中、素敵なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

2019年11月 マンナンライフ本社にて

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