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家庭内消費では発泡酒がビールを上回る:芋焼酎に勢い、2003年12月は前年比1.7倍(2004年1月)
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  • アルコール市場にも健康志向の兆し
  • 家庭内消費では発泡酒がビールを上回る
  • 芋焼酎に勢い、2003年12月は前年比1.7倍
株式会社インテージは、アルコール市場の長期傾向と最近の変化をとりまとめた。今回の分析には、インテージのパネル調査の一つである、SCI(全国個人消費者パネル調査)を用い、5年間の家庭内のアルコール消費の動向を分析した。
調査結果

アルコール市場にも健康志向の兆し

今回の分析によると、アルコールの家庭内消費の傾向は、ビール(発泡酒含む)が1位、長く2位の座を保ってきた日本酒が、12月には購入が増えるものの、通常期では焼酎に2位の座を空け渡したこと、ワイン、ウイスキーは、低迷から抜け出せていないこと、などがわかった。(グラフ1)

家庭内消費1位のビール(発泡酒含む)ではあるが、その内訳をみると、単価の安い発泡酒へと消費の主流がシフトしてきており、ビールと発泡酒の消費金額は、2002年2月に逆転、その後現在まで発泡酒の優位が続いている。2003年4月に、増税前の「駆け込み需要」により、発泡酒は消費金額が伸びたが、2003年は、前年までとは違って、ビールが夏場以降、涼しくなって下がっていくのに対して、発泡酒は消費金額にさほどの下落はなく、優位は変わっていない。(グラフ2)

最近ブームとなっている焼酎の推移を見ると、まず、焼酎を甲類、乙類別に見ると、甲類は梅酒をつくる原料として6月に毎年大きく消費量が伸びる特徴があるのに対して、乙類はほぼ通年型の商品である。甲類、乙類ともに、増加基調にある。とくに乙類は、2003年になってから「下げ」の度合いがほとんどなくなり、底上げが計られている。(グラフ3)

認知された乙類の中では麦焼酎が高位安定。2位以下の米焼酎と芋焼酎を比べると、米焼酎がほぼ一定した水準で推移しているのに比べ、芋焼酎は2001年の夏以降、順調に伸びてきており、芋焼酎が伸び始めた2001年8月を100としたとき、2002年の12月は198、2003年12月には、337と上昇。2003年12月は前年同月比で、約1.7倍の伸びとなっている。最近の健康ブーム、自然志向の高まり、あるいは、各種情報番組などの影響からか、芋焼酎が勢いづいている。家庭内消費では、アルコールにも健康志向が浸透しつつある。(グラフ4)

ワインは、全体としては低迷から抜け出せないでいるが、昨年(2003年)秋の、ボジョレー解禁直後のフランス産ワインの動向を見ると、解禁直後が突出している。一昨年(2002年)秋と比較すると、2003年は、短期集中で一気に購入され、12月初頭には通常に戻っている。100年ぶりの上質の葡萄だ、といわれたことなども、短期間で売れた一因かもしれない。(グラフ5・グラフ6)

注)甲類焼酎:イモ類、穀物などを原料に発酵を行い連続式蒸留機で蒸留した酒のこと。蒸留液は85~97度になるが、商品はエキス分2%以下、アルコール度数36度未満に加水調整される。
乙類焼酎:主に米を原料に黒こうじ菌か白こうじ菌、焼酎酵母を使い、第一次発酵もろ味を造る。これに穀類やイモ類を蒸して混ぜ、アルコール発酵させた第二次もろみを単式蒸留機で蒸留した酒。アルコール度数は45度以下。二次発酵に使う原料の違いから、麦焼酎、イモ焼酎、そば焼酎などに分かれる。

(グラフ1)
アルコール類消費金額長期トレンド

注記)グラフ1の「ビール」とは、発泡酒を含んだ金額。

(グラフ2)
ビールと発泡酒の消費金額の推移

(グラフ3)
焼酎甲類・乙類の比較

(グラフ4)
芋焼酎、米焼酎の消費金額の推移

(グラフ5)
2003年ボジョレー解禁前後のワイン消費金額

(グラフ6)
2002年ボジョレー解禁前後のワイン消費金額

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インテージ ビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』 2015年2月調査
株式会社インテージのビジネスパーソン意識調査『男性の美容意識』(2015年2月調査)によると・・

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調査会社概要

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values 〜お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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