TikTok for Business Japan
エンタテインメントプラットフォーム
「TikTok Market Scope」のデータを“使える示唆”に変える~SRI+が支えた検証プロジェクトの舞台裏~
- マーケティングリサーチ
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| 取り組み内容:TikTokのTTMS (TikTok Market Scope)のデータにSRI+を掛け合わせて仮説を証明 成果:TTMSが可視化できるブランド検討オーディエンスはそのブランドの店頭小売販売の先行指標として機能しているという示唆を得ることができた |
日本では、毎月4200万人以上の方々がTikTokとTikTok Liteに訪れており、約3人に1人が利用するプラットフォームへと成長しています。また、日本でTikTokに広告配信を行っている広告主の総数が48万を超え、多くの企業・団体がTikTokをマーケティング活動の起点として活用しています。
TikTok for Businessでは、広告主・広告代理店のビジネス成長に貢献するため、広告、オーガニックトラフィック、検索、TikTok Shopなど、TikTokエコシステム全体にわたる包括的なデータと、戦略設計に直結するインサイトにアクセスできる、TikTok独自の測定・分析プラットフォーム「TikTok Market Scope(以下、TTMS)」を提供しています。
今回は、TTMSのデータ分析を担当するTikTok for Business Japanの佐藤氏にお話を伺いました。両社共同の取り組みから導き出した「ある仮説」とは?それを証明するためにインテージの小売店パネルデータ「SRI+」が果たした役割とは?共同作業の向こうに新たな地平が見えてきました。

――はじめに、佐藤さんの経歴と役割について簡単に教えてください。

TikTok for Business佐藤氏:広告代理店勤務や調査会社を経て、2025年7月からTikTok for Businessのマーケティングサイエンス部門に所属し、広告主が出稿された広告の定量的な効果検証や分析を担当しています。

インテージ篠原:TTMS(TikTok Market Scope)はTikTokの価値を最大化する上でどういう戦略的な役割を担っているのでしょうか?また、弊社と取り組んだ事案の背景をお聞かせいただけますでしょうか?
佐藤氏:TTMSは、高い購買意欲を持つオーディエンスの成長をリアルタイムで可視化できる、測定・分析プラットフォームです。大きな特徴は、マーケティングファネルを可視化できる点です。具体的には、マーケティングファネルの「認知」「比較検討」「購買」、各段階にそれぞれ何人のオーディエンスがいるのか、どのユーザーがどの段階にいるのかを把握できます。従来のマーケティングファネルはあくまでも概念的なもので、認知、比較検討、購買といった段階ごとに想定上のオーディエンス像を設定し、そこに対して広告を配信していたんです。TTMSでは実際のユーザーをTikTok上での行動データを基に各段階に振り分け、実在するオーディエンスを形成することで、正確にオーディエンスの動きを可視化することが可能になりました。
TTMSを多くの広告主の皆さまにご利用いただくなかで、『ブランド検討者のトレンドはどういう意味を持つのか?』というお声をよくいただきます。多くのブランド広告主がKGI(重要目標達成指標)である売上指標を気にする中で、TTMSでモニタリングできるようになった「検討オーディエンス」の増減が自分たちのKGIとどういう風に関連しているのかを深く知りたいということです。
広告主様からはインテージSRI+の有用性を挙げていただいている背景も重なって、インテージと一緒にデータ分析の取り組みを始めるに至りました。

篠原:消費財メーカーの広告主にとって、動画視聴が店頭商品の購買にどうつながるということが課題かと思いますが今回、データサイエンスによるアプローチに取り組まれた背景には?どういった業界課題やニーズがあったのですか?
佐藤氏:インテージの力を借りて解明したいと思ったのは『TTMSで可視化された検討オーディエンスは、短期的な販売増減というよりも、中長期的な販売増減と連関しているのではないか?』という仮説を検証することです。すなわちTTMSで可視化できる検討オーディエンスが、リアル店舗での販売のリーディングインジケーター(先行指標)になっているのではないか?ということです。
『ブランドを横断して汎用的にそれを言えるのか?』『メタ的に言えそうなことなのか?』を証明したいと考えたとき、必然的に、社内で『オフラインセールス』と呼んでいますが、小売店店頭販売のデータを約6000店舗分持っているインテージと取り組ませていただきたいと思いました。
篠原:弊社を利用してもらったデータ的な価値、またシナジーについてお聞かせいただけますでしょうか?
佐藤氏:インテージへの期待、魅力について整理してお話しますと、1つは御社が持っている全国小売店販売調査に基づくデータベースSRI+の存在です。これを使うことによって広告主への説得力を持つことができます。もう1つはデータサイエンスチームの存在です。データ解析ができるパートナーとやりたいと思っていました。いくつかの会社と話をする中で、信用できるデータサイエンティストがいて、こちらの要望も的確に受けとめてもらえるということが期待できたのがインテージでした。「期待できる」という手応えも会話の中にありました。そして結果的に、納品時、要望していた通りのアウトプットを出してもらいました。
インテージ小林:今回の解析プロジェクトを通して御社にとって何か新しい発見がありましたか?たとえば今回、購入検討段階にいるオーディエンスがどれくらいのリードタイムをもって購買するのか?といったところで新しい知見やファクトがあったのか教えてください。

佐藤氏:前述したリーディングインジケーターの仮説が強く支持されました。具体的には20のブランドを選定し、これらのブランドについて私どものTTMSのトレンドのデータとSRI+を掛け合わせて分析をしました。20のうち17のブランドで、TTMSが可視化できるオーディエンスはリーディングインジケーターである、という示唆が得られました。これは仮説を裏付けるという意味で心強い結果でした。もう1つは仮説にはなかったことですが、商品カテゴリーによって、実際に購買するまでのタイムラグが違っている、ということも発見できたというのも大きな成果でした。弊社のブログでもそのハイライトを紹介しています。たとえば私たちが『フード&ビバレージ』と呼んでいる、飲料・食品の業界に関してはリーディングインジケーターのタイムラグは1~3週間ぐらいでした。つまりTTMSの検討オーディエンスをモニタリングしていればだいたい1~3週間先の自社のオフラインセールスの動きが見えてきます。化粧品などビューティーカテゴリーはもう少し期間が延びて3~6週間、あるいはケースによっては12週間になることも発見できました。カテゴリーによってこれだけタイムギャップがあるというのは大きな発見でした。これを活用して2026年はさらなる発見、分析をしていこうと考えています。
篠原:TikTokのリアルタイムのデータと弊社のSRI+という性質の異なるデータとを掛け合わせたことで見えてきた、広告主様への提供価値はどのようなものでしょうか?
佐藤氏:今回立証されたことは、TTMSがデジタルマーケティングに閉じた分析ツールではなくて、FMCG(日用消費財)のリアルな広告主の売上と紐付いている、連関しているということです。私たちがミッドファネルと呼んでいる検討段階へのアプローチを強化しましょう、そのための広告メニューをご活用いただきたい、ということを広告主の視点で提案できる分析結果が得られたのが心強いです。
――今後の展望をお聞かせください。
佐藤氏:TikTok広告は、マーケティングファネルの全段階をカバーできる「フルファネルマーケティング」に対応している点が、特徴であり強みです。認知、比較検討、購買の3段階から広告主ごとに目的を選んでいただき、レコメンドシステムにより最適なユーザーに広告を配信する、というシステムになっています。特に私たちは、比較検討層に強みを持ち、現在はBrand Considerationをはじめとする比較検討層を増やすための広告配信の仕組み作りを強化しています。
今回の取り組みで得た知見を踏まえて今後は、TTMSで可視化が可能になった多くの指標のどれが売上向上のレバーになっているか?というブランド構造診断を広告主様にご提供するところまで踏み込んでいきたいです。そのためにも、インテージとの連携を深め、多彩なデータやソリューションの力をお借りしていけたらと思います。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがあります。ご了承ください。
この事例について、
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お客様
TikTok for Business Japan
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ご担当者様
TikTok for Business Japan 佐藤健一氏
博報堂等でデータサイエンス業務に従事。2025年7月より現職。
TikTok for Businessの日本のマーケティングサイエンス部門にて、
広告主が出稿された広告の定量的な効果検証や分析を担当。