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生活者の声を読み解く――TOPPAN×インテージ、共創レポートの可能性

生活者の声を読み解く――TOPPAN×インテージ、共創レポートの可能性
  • マーケティングリサーチ

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取り組み内容:ライフスタイルスコープレポートの作成
成果:生活者の理解が拡がり、コミュニケーションに厚みが出るツールとしての 活用

TOPPAN株式会社は、印刷を原点とする日本の大手企業であり、情報、生活、エレクトロニクスの3分野において多角的な事業を展開しています。1900年に創業し、長らく「凸版印刷株式会社」として知られていましたが、事業の多様化とグローバル化に対応するため、2023年に持株会社体制へ移行し「TOPPANホールディングス株式会社」の中核事業会社として新たに発足しました。

印刷技術を核に、デジタルや先端技術分野へも進出し、社会課題の解決に貢献する企業へと進化を遂げています。今回は、インテージと取り組んでいる「ライフスタイルスコープレポート」の取り組みを中心にお話をお伺いしました。

ライフスタイルスコープレポートとは
2018年からTOPPAN 株式会社西日本事業本部がお客様への提案活動の質向上を目的として作成しているレポート。「今後の新たな消費の担い手 [Z世代]アップデート(2023.5)」「ニューノーマル時代のライフスタイル(2023.10)」「暮らしの変化 今とこれから(2025.2)」などさまざまなテーマを設定し、毎号60ページほどのボリュームで、年に2~3冊のペースで発行。インテージは2023年から編集協力として企画立案・調査実施・データ分析・執筆などに伴走している。レポート内ではパネルインデックスデータ、定性データ等、オールインテージとしてさまざまなデータを用いて社会や生活者について分析・解説しており、TOPPAN株式会社で活用されている。

2023年のレポート例

――まずは自己紹介をお願いします。

TOPPAN株式会社 太田氏:TOPPAN株式会社の太田です 。

私のチームでは、メーカーや流通といったお客さまの課題解決を支援するため、マーケティングレポートの制作に取り組んでいます。これは私の拠点である西日本事業本部の関西から発信している、市場と生活者の変化を捉えた内容のレポートになります 。

このレポートを活用し、市場動向、生活者の意識価値観、購買データを組み合わせた分析を行い、暮らしの変化を捉え、お客さまとの「共創」によって新しい商品やサービスを生み出すきっかけ作りを目指しています。

TOPPAN株式会社 西日本事業本部 太田 雅士氏

太田氏: 我々のお客さまはメーカーや流通など多岐にわたり、様々な課題を抱えていらっしゃいます。例えば、あるメーカーの商品企画担当の方は、『世の中の変化が激しく、生活者の暮らしの変化がどうなっているかを知りたい』という生活者理解への課題意識をお持ちでした。そこで、お客様とお話しする際に最終的に商品を使う“生活者”をまず我々が正しく理解し情報提供を行い、お客さまと共有しながら課題を解決していくきっかけのツールとして、レポートを作るようになったのです。

インテージ田中:何年ほど前から「ライフスタイルスコープレポート」を作成されていたのでしょうか?

株式会社インテージ 生活者研究センター 田中 宏昌

太田氏:現在ほど規模は大きくないですが、スタートは2016年頃までさかのぼります。当時は発行のペースも年1~2回で今ほどではありませんでした。その後、「よりタイムリーに」「社会トピックスなどもキャッチアップして」といった社内ニーズやお客様からの反応もありましたが、特にコロナ禍に入ったタイミングで生活者の生活スタイルが大きく変化する中、現在のような年2~3回の発行にシフトしていきました。

おかげさまで社内、社外ともにますます活用ニーズは高まっています。

田中:そうなのですね。「生活者をより深く知っていこう」「より生々しい暮らしのシーンにも注目していこう」といった、生活者理解・生活者起点のムーブメントが2018年頃からあったのでしょうか。

2016年のレポート

太田氏: そうですね、お客様に提案していく中で、あるいはお客様との会話を通じて自然とそういった発想になっていったと思います。

――インテージと取り組むことになったきっかけを改めてお伺いしてもよろしいでしょうか。

太田氏:インテージさんといえば、やはりSCIやSRIといったパネルデータのイメージが強く、正直なところ、最初は生活者レポートを一緒に作っていくイメージがあまり湧いていませんでした。しかし、インテージさんと接点のあるメンバーから声がけを受け、初回の打ち合わせで田中さんにお会いする中で、「生活者研究センター」という役割があることを知りました。生活者に対する多角的な視点や豊富な知見、鋭い洞察力に触れる中で、定量的なデータだけでなく、その背景や経緯といった定性的な情報への理解にも深かかったことからご一緒させていただくことを決めました。

さらに社内メンバーの中にインテージさんのオウンドメディアである知るギャラリー by INTAGEを愛読している者もおりましたので「おお、あの人か!」と話がスムーズに進みました。

田中:そうでしたね(笑)ありがとうございます。

最新のレポートのきっかけもそうでしたね。商品DNAへのご関心から可能性を感じていただき始まりましたが、時系列でパネルインデックスデータ、生活意識・価値観データ(Profiler)をフルにご活用いただく流れへと発展したことを、大変うれしく感じております。また、限られた関係者だけでなく、弊社内のさまざまなメンバーが関与することで、取り組み自体がより多角的な視点から広い潮流をとらえるものとなってきています。インテージのメンバーにとっても企画段階のオープン&フラットなディスカッションなど、とても貴重な経験を積ませていただいていることに、心より感謝しております。

――ライフスタイルスコープレポートを一緒に作成させていただいて以降、TOPPAN社内での活用状況や、活用後のお客様への提案時の反応などはいかがでしょうか。

太田氏:営業担当が提案にレポートを活用する場面も増えてきました。私自身も、そのような提案の場に同席して一緒に商談を行う機会が以前より多くなっています。関西から発信していますが、東京、中四国や九州もレポートを活用しており、社内全体での浸透を実感しています。

田中:TOPPANさんのさまざまなエリアでも活用されていることは嬉しく感じます。このプロジェクトが継続しているということは、活用機会が増えたり最終的な成果にそれなりに結びついているということでしょうか?

太田氏:はい、それはもちろんです。

弊社では、お客様と共に価値を創造する「共創」のスタイルで、製品やサービスを形にしていく支援を行っています。まずお客様がどのような課題をお持ちなのかを把握する段階において、お客様と認識のすり合わせを行うツールとして、レポートを幅広く活用しています。お客様からは「私たちはこう思っていたけれど、実際はこうだったんですね!」といった反応をいただくことも多いです。また、なんとなく感じていたことがデータとともに可視化されることによって、「あらためて理解が深まった」という声も多くいただきます。

そうしたベースとなる共通理解があると、その後の提案や商談、ディスカッションもより深みが増したものになります。

――今後の取り組みに向け、インテージへの期待をお聞かせください 

太田氏:お客さまの商品やサービスが顧客に選ばれ続けるための価値を、お客さまと一緒に創り上げていきたいと考えております。また、人口が減少していく中で、ユーザーである生活者の方々に選ばれ続けるためには、どのように使用回数を増やすか、あるいは現在購入されていない方々にどのように手に取っていただくか、という視点がますます重要になってくると感じています。そうなったときに生活文脈の中で、ターゲットに関心を持ってもらうアプローチを、この取り組みを通して発見し、提示できたらと考えています。

そうした考えからインテージさんにはこれまで以上に「生活者理解」や、消費につながる「新しい気づき」という視点からのサポートを期待しています。

また、レポートでは「わかりやすさ」や「リアリティ」というものを大切にしているため、インテージさんの持つSCIやSRIといったパネルデータや生活意識・価値観などのProfiler、さらにはオリジナル調査など、さまざまなデータ活用の側面もサポートしていただきたいと考えています。

田中:ありがとうございます。「凸版印刷」から「TOPPAN」へとブランドを刷新された際の経緯や狙いについては、さまざまな記事で拝見し、非常に興味深く読ませていただきました。「ものつくり」に留まることなく、体験やシーンなどの「コトつくり」にも注力されている点に共感しており、生活者にとって新しいシーンが増えることで、結果的に消費も広がっていくのではないかと感じています。また、そうした取り組みが単なる「モノ・コト」の提供ではなく、広告や販促コミュニケーションも視野に入れてお客様と共に考えていく領域に進化していることにも、大きな可能性を感じています。今後はより一層、「生活者理解」や「生活者の文脈」に根ざした形でプロダクトはもちろん、コミュニケーションも考えていくことになると感じております。私たちも太田さん、TOPPANさんのよきパートナーとして、伴走できるよう、チーム一同楽しみながらがんばりたいと思っています。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

これまでのライフスタイルレポート

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがあります。ご了承ください。

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    TOPPAN株式会社

  3. ご担当者様

    太田 雅士 氏/
    TOPPAN株式会社 西日本事業本部 関西企画販促本部 マーケティング企画部2チーム
    1995年、凸版印刷株式会社入社。
    食品・日用品など多くの業界に向け、商品企画・開発から主に、容器開発・パッケージデザインを中心にUX視点の課題解決に従事。近年は生活者のライフスタイルを捉えた
    マーケティングレポートの編纂に携わっている。

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