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日本大学のブランドイメージ調査が示した広報改革の方向性

日本大学のブランドイメージ調査が示した広報改革の方向性
  • 学術調査

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取り組み内容:令和5、6、7年度の日本大学ブランドイメージ調査を実施した。
成果:大学名の認知度は全国的にも高いが、具体的にどういう取り組みを行っているかについて、学内、学外ともに周知されていない実情が浮き彫りになった。今後の広報活動を行う上で、大学の何が強みで、何が弱点かを具体的に知ることができた。

少子化社会を迎え、高校生に選ばれる大学であり続けるためにはどうしたらよいか?日本大学は、学内外を対象にした令和7年度のブランドイメージ調査を実施しました。その結果、大学の知名度は高いが、各学部での具体的な取り組みについて周知されていないことがわかりました。調査を通じて浮かび上がった広報戦略上の課題について、日本大学本部広報部の影井篤課長にお話をお伺いしました。

―広報部の陣容と職務のカバー領域についてお聞かせ下さい。

影井氏:広報部には現在、課長以下15人が在籍しています。大学単体ではなく日本大学法人全体の広報、ブランディングを行っています。対象は認定こども園、幼稚園、小学校、中学校、高校、専門学校、大学、大学院まで。現場の日々のニュースなどの情報発信は各学校、園、大学の各学部で行っています。広報部は法人全体のブランディングとして大学のイメージアップやインナー広報を担当しています。

日本大学 本部 広報部 広報課 課長 影井 篤氏

―インナー広報とはどういうものですか?

影井氏:令和7年5月1日現在で法人全体の生徒(大学は学生、それ以下は生徒と表記します)、学生数は約11万7,000人、教職員数は約7,000人います。大きな組織なので自らが所属している学校以外のことを知らない教員・職員が多くいるんです。たとえば認定こども園、幼稚園の教員は大学のことを知らない、大学院の教員は小学校のことを知らないなどです。法人全体としてどういう取り組みを行っているかを知らせるため、各組織を横断して横串を刺すことがインナー広報だと考えます。それを周知するための広報誌を作っています。

―お仕事のカバー領域は膨大ですね。ほかにも広報部として何かなさっていることはありますか?

影井氏:大学の資料収集、展示、保管、調査、大学史編纂も行っています。学生記者が作っている「日本大学新聞」という大学新聞があり、発行は日本大学新聞社ですが事務局の所管は広報部です。

―少子化社会の中で大学、特に私学は学生募集で苦労されていると思いますが、社会全体の流れ、日大単体の現状についてお教えください。

影井氏:少子化社会の到来は以前より予測されているものなので、受験生が少なくなっているのは当たり前だと捉えています。学生を集めるため社会人に学び直しの機会を提供するという話もありますが、限界はあります。大学を例にお話しするとメインのターゲットはあくまでも18歳。彼ら彼女らに大学の魅力をアピールするためにはまず大学本来の活動目的である「研究」と「教育」をいかにしっかりやっていくかが大切だと思っています。「学食がおいしい」というのを魅力に感じる学生はいると思いますが、それは一過性のものです。研究は研究で、教育は教育で成果を残す、ということをきちんとやっていかないと、そっぽを向かれていくと思います。

―少子化社会の中での大学の現状をふまえ、弊社では日大の学内関係者(学生、職員、教員)と一般の方を対象とした「日本大学ブランドイメージ調査」をご依頼いただきました。弊社にアンケート調査をご依頼いただいた理由や課題感について教えてください。

影井氏:今後の広報活動についてどうしたらよいのか?の参考になれば、というのが第1の理由です。日本大学が身内である教職員含め、学内、外でどう思われているかをキチンと把握しておきたいというのもありました。

―弊社をパートナーとして選んだ理由は何ですか?

影井氏:過去の実績です。会社として大手であり、いろいろな層のモニターを持っています。全国でいろいろな人にアプローチできるのは御社だと考えました。

―マーケティングなどの分野で学内にも専門家がおられるかと思います。独自にアンケート調査をして、学内でまとめる以上の結果は得られましたか?

株式会社インテージ マーケティングパートナー第2本部 企画営業5部 坪井 寛太

影井氏:調査には身内ではなく第三者に入って欲しいと考えました。アンケート項目1つ作るにしても聞き方によって答えは変わります。極力バイアスを排除して質問し、まとめたり分析したりといった作業も第三者の評価が必要だと考えました。

―弊社の対応についてご感想はありますか?

影井氏:質問事項について細かく項目を作っていただきました。お陰様で「大学を広報する上でいま何が足りないのか?」がわかってきました。

―アンケート調査で導き出された結果について浮き彫りになった課題、気付きなどがあればお教えください。

株式会社インテージ マーケティングパートナー第2本部 企画営業5部 横枕 久雄

影井氏:大学には社会科学系、理工系、歯学、獣医、芸術系、医療系の学部があります。そこで大概の資格は取れます。この資格取得についての情報が学内、学外にうまく伝わっていない、というのがわかりました。学生への調査結果の中で、「さまざまな資格が取得できる。また取得のための支援プログラムが充実していることを入学後に始めて知った」という回答もありました。もったいない話です。大学、専門学校として資格取得のための道や、充実した支援プログラムを用意しているのだということが伝われば、今後、志望校の選択肢に入れてもらえる可能性が広がると思います。

―学内調査の結果も今後の広報活動を行う上で参考になりましたか?

影井氏:学内の人に対しては「1人1人が日本大学のファンになってください」と思っています。たとえばオープンキャンパス、高校の説明会には受験生や保護者の方が来ます。そのような場で、自信をもって大学を薦めて欲しいという意味です。そのためには何が必要かを導き出す調査でもありました。調査結果から改善の余地がある面もわかりましたが、一方で「日本大学ってこういうところはちゃんとやっているんだ」ということもわかってもらえたと思います。

株式会社インテージ マーケティングパートナー第2本部 企画営業5部 望月 麗奈

―調査結果をもとにした取り組みについてお聞かせください。

影井氏:今回の調査で、関東圏から離れるほど「大学名をなんとなく知っている」で終わっていることがわかりました。林真理子理事長があるコラムで「ウチの大学は知った気になる大学である」と書かれていたこともあります。その言葉の通り、全国的には名前は知られていますが、「なんとなく」であるというのが改めて確認される結果となりました。そこで、具体的な取り組みを知らない人たちに向けて、新聞広告で「大学にはどういう学部があって、どういう取り組みをしているか」を全国版に出しました。また日大がスポンサーになっているラジオ番組を通して、全国のラジオ局で広報することにしました。

アンケート結果をもとに具体的な広報、受験生獲得のための入試広報も各学部でやってもらっています。今後、いろんな学部の教員が集まって広報戦略を議論する会議で、御社に調査結果の報告をしてもらいたいと考えています。その場で出た課題を持ち帰って、自分の学部には「魅力を伝える上でここが足りない」ということがあればオープンキャンパスの際に説明に加えるとか資料を作るといったことができます。調査結果を踏まえた活動の効果が見えるのは2、3年経ってからだと思います。

―ありがとうございます。最後に、2、3年後にどのような変化を期待していらっしゃいますか。

影井氏:本学の取り組みが入学の前段階から理解され、あえて日本大学を受験するという生徒が増えてくれればと思います。

―ありがとうございました。

今回の調査を通じて、日本大学が持つ強みや課題を客観的に可視化できたことは、今後の広報戦略を考える上で大きな一歩となりました。全国規模での調査設計や分析を通じて得られた示唆は、学内外への情報発信の改善だけでなく、「日本大学らしさ」をどのように伝えていくかを再整理する契機にもなっています。インテージはこれからも、生活者視点に基づく調査・分析を通じて、教育機関のブランド価値向上とコミュニケーション活動を支援してまいります。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがあります。ご了承ください。

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  1. 業界

    学校・教育

  2. お客様

    日本大学

  3. ご担当者様

    日本大学本部広報部広報課 課長 影井 篤氏
    日本大学生物資源科学部庶務課,教務課,研究事務課を経て令和6年7月より現職

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