マーケティング用語集実験計画法とは
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1)実験計画法の原理
次の2つの前提によっています。
- 複数単位(地区、店、人)について実験を反復することにより、その結果のバラツキから誤差分散が推定できること。
- 実験単位を無作為に選ぶことによって単位固有の差を偶然誤差とみなして、確率論を適用できること。
2)因子と水準
実験では、一方に対して何らかの処理(例えば広告)を行い、もう一方には処理を行わない対照(コントロール)を設けるか、あるいはいくつかの異なる処理 (例えばテレビ、新聞、販促)を別々に割り付けます。この場合、広告は「因子」、その有無や方法は「水準」と呼びます。
3)実験の因子数
ある因子a(水準をA1、A2、A3とする)のみの実験を行う場合を「1因子実験」といいます。そしてA1、A2、A3間の売上その他を比較することになります。2つ以上の因子を同時に実験することも可能で、それらの組み合わせで実験を行う場合は「多因子実験」となります。
4)実験のブロック化
実験誤差をできるだけ小さくしたほうが水準間の有意差が検出される可能性が高くなります。誤差を小さくする方法としては、比較すべき実験単位を同一ブロックにまとめるのがよく、例えばテレビ広告A1とA2を異なる地区で放送すると地区の誤差が入りますが(図左側)、もしある地区で2本の有線放送が利用できれば同一地区(ブロック)内で両広告を比較することになって地区間の誤差は発生しません(同右側)。ここでいうブロックは、層化抽出法における「層」と同じ考えです。この場合は地区も因子と考えて「ブロック因子」と呼んでいます。
5)実験数の節約
店舗実験で、ある因子(水準A1、A2、A3)を3地区×3業種(ブロック)に割り付けるものとすると、3×3×3=27店という多くの店が必要となります。これを節約するため、図のような割付をすることができます。これはラテン方格と呼ばれ、わずか9店で実験が可能となります。図ではどの水準(A1~A3)も各行各列に1度ずつ現れていますが、ラテン方格法ではこの条件を満たすことが必要となります。「ラテン方格」という名前は、ラテン文字A、B、C…を一つの方格に縦にも横にも1回ずつ現れるように並べる、というギリシャ時代の数学遊技に由来しています。