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世界600店舗のOWNDAYS、マーケティングリサーチと共に次のステージへ

世界600店舗のOWNDAYS、マーケティングリサーチと共に次のステージへ
  • マーケティングリサーチ

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取り組み内容:メガネユーザーのブランド・商品選好の把握および戦略ターゲット・ポジショニング仮説の導出
成果:説得力のある情報を用いたデータドリブンなマーケティング・コミュニケーションへ

アイウェアブランドのOWNDAYS(オンデーズ)は全世界13の国と地域で約600店舗近くを展開。企画から販売を一気通貫で行っており、商業施設への出店をメインに行っています。2024年にマーケティング部を発足し、本格的にマーケティングリサーチをインテージと共に開始しました。今回は、インテージとマーケティングリサーチを実施することになった経緯、実施してからのマーケティングの変化、そして今後の展望について伺いました。

左からOWNDAYS鳥居氏、インテージ長谷川、竹島、山口

―まずは自己紹介をお願いします。

OWNDAYS鳥居氏:OWNDAYSには、マーケティング部門の立ち上げメンバーとして参画し、現在は国内マーケティングの統括を担当しています。国内市場におけるさらなる成長を実現するためには、マーケティング機能の高度化が不可欠であり、その推進を担うリーダーとしてお迎えいただきました。 私はこれまで、広告会社における戦略プランナーとしての経験を経て、事業会社にてマーケティング実務に携わってまいりました。そうした背景から、まずは市場および顧客理解を深めることが必要と考え、マーケティング活動の初手として「顧客調査」の実施を決めました。お客様の視点から市場と自社のビジネスを捉えることが、戦略立案の出発点であると確信しています。

株式会社オンデーズ マーケティング部 部長 鳥居 長英氏

―インテージと取り組むことになったきっかけを改めてお伺いしてもよろしいでしょうか

株式会社インテージ マーケティングパートナー第2本部 企画営業6部 長谷川 明子

鳥居氏:顧客調査の実施にあたっては、これまでご一緒したことのある複数の調査会社様にお声がけし、コンペを実施しました。その中の一社がインテージ様でした。 インテージ様からのご提案は、単なる実査にとどまらず、当社からのブリーフに対する調査設計はもとより、その後の分析・考察においても高い伴走力が期待できる内容でした。また、ご担当の長谷川様をはじめとするチームの皆様の迅速かつ丁寧なご対応も非常に印象的で、信頼を寄せる決め手となりました。

―今回の様に「STPから整理していこう」、という企業様は少ないように感じますが、あえてそこから整理しようと思ったきっかけを教えてください。

鳥居氏:今回の調査を実施するに至った背景には、大きく3つの目的がありました。
第一に、メガネユーザーの商品やブランドに対する選好を正しく捉え、当社のSTP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)に関する議論・検討をより計画性・実効性のあるものに進化させたかったためです。
第二に、自社が保有する顧客データに対して、定性・定量の両面から調査分析を重ねることで、顧客理解の解像度を高めたいと考えました。視野を広げ、多角的な視点を持つことで、より明確で本質的な発見を得られると考えたためです。 第三に、私自身が小学生の頃からメガネユーザーであることから、仕事人としての視点とユーザーとしての視点の間にどのようなギャップや偏りがあるのかを、客観的に比較検証してみたいという個人的な好奇心も動機の一つでした。

分析アプローチのステップ

分析結果をどう利用したのでしょうか。

鳥居氏:今後のOWNDAYSの国内ビジネスをどのように発展させていくかという戦略策定における重要な判断材料として活用しました。調査結果と自社が保有するデータを照合・統合することで、多くの新たな発見が得られました。こういった発見があることで、戦略的選択のシャープさが高まったと感じています。
特に、OWNDAYSのリブランディングプロジェクトが進行する中で、ブランドコンセプトを具体的な計画や施策へと落とし込むための論理構築が求められており、そのタイミングにおいてSTP分析から得られた知見は、非常に有効な論拠となりました。

株式会社インテージ マーケティングパートナー第2本部 企画営業6部 竹島 夏子

調査を通じて、どのような発見がありましたでしょうか

鳥居氏:特に大きかったのは、競合他社と比較した際のブランドイメージにおけるポジショニングです。眼鏡業界は大きく分けて、自社企画の商品を展開するSPA(製造小売業)型のブランドと、複数メーカーの商品を扱う総合眼鏡店型のブランドという、2つに分類されます。
しかし、今回の調査結果から、OWNDAYSはこの2分類に収まりきらない独自のポジションを確立できる可能性があることが明らかになりました。従来の枠を超えたブランドプロポジションへと昇華させる機会が存在しており、今後のブランド戦略を検討する上でも非常に示唆に富んだ発見となりました。

領域を広げて、台湾、タイ、シンガポールという海外の調査も行いましたが、それについてはいかがでしょうか。

株式会社インテージ マーケティングパートナー第2本部 企画営業6部山口 雄節

鳥居氏:各国の状況を横並びで比較することで、自国のビジネスだけでは気づかなかったチャンスや課題が浮き彫りになりました。たとえば、国・地域によってOWNDAYSの成長ステージやブランド・エクイティがどのように異なるのかを改めて理解できましたし、日本で行った施策が他国でも活きるのではと議論できたり、他国で起きている状態が日本の数年後に起こり得るとすると、日本ではどういった対策をすべきか、といったチャンス・課題がクリアになりました。
各国の状況を横並びで比較することで、自国市場だけを見ているだけでは見落としがちなチャンスや課題が浮き彫りになりました。たとえば、国・地域ごとにおけるOWNDAYSの成長ステージやブランド・エクイティの違いを改めて可視化できたことで、グローバル統一でアクションすべきこと、ローカルの文脈に即したアクションをすべきことがクリアになりました。
また、日本で実施した施策が他国でも応用可能かどうかを議論できたり、他国で起きている現象が将来的に日本市場でも起こり得ると仮定した場合に、事前にどのような対策を講じるべきかといった検討も可能になりました。

メガネ市場に対して行いたいことと、今後のインテージへの期待も最後にお聞かせください

鳥居氏:お客様にOWNDAYSというブランドへ興味をもっていただくため、2024年より俳優・松田龍平さんをイメージキャラクターに起用したブランドキャンペーンを展開しています。本キャンペーンでは、「似合うメガネ・お気に入りのメガネをかけることは、自分を前向きな気持ちにしてくれる」というコンセプトのもと、メガネを“自分を飾るためのもの”ではなく、“自分らしさを引き出すためのもの”として再定義しました。その想いを込めたメッセージが『いい顔になろう。』です。これは、OWNDAYSが提供するブランド価値そのものであり、OWNDAYSには“いい顔”になれる商品とサービスがある、という我々からの宣言でもあります。
このキャンペーンの開発にあたっては、顧客調査から得られた発見が重要な土台となりました。お客様がメガネに抱く価値観や好みを理解することで、ブランドメッセージの方向性や表現に確信を持つことができました。

広告・宣伝といったコミュニケーション領域にとどまらず、お客様一人ひとりが「このお店には、自分に似合う、いい顔になれるメガネとサービスがある」と実感できるよう、OWNDAYSの提供価値そのものを進化させていくことが、今後ますます重要であると考えています。

また、売上や店舗数、NPSなどの各種指標の相関関係を分析しながら、各エリアのブランド認知度と照らし合わせることで、ブランドビジネスとしてOWNDAYSがどう成長しているのかを可視化していく必要があります。これらの指標を連動・駆動させることで、ビジネスはもちろん、お客様への提供価値をさらに強化していきます。

最後に、「メガネを選ぶことは楽しい・面白い」と感じていただけるよう、より多くのお客様にその魅力を伝えていくためのヒントを探し続けたいと思っています。私自身、メガネが好きで、店舗に足を運ぶと楽しい気持ちになります。その楽しさを、多くのお客様にも共感していただけるようにしたいと考えています。そして、できれば「OWNDAYSが一番面白い」と感じてもらえたら嬉しいです。そのためにはどうすれば良いのか。お客様とOWNDAYSが提供する価値を、さらに魅力的に紡いでいけるよう、一緒に取り組んでいきたいと考えています。

※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがあります。ご了承ください。

  1. 業界

    アパレル

  2. お客様

    株式会社OWNDAYS

  3. ご担当者様

    鳥居 長英氏/株式会社オンデーズ マーケティング部 部長
    新卒でIT企業に入社し、新規事業やデジタル広告の営業を担当。その後外資系クリエイティブエージェンシーを経て、大手アパレル企業やエンタテイメント企業でマーケティングおよびPRやCRMに従事。2024年に株式会社オンデーズに入社すると同時にマーケティング部を立ち上げ、同社の国内マーケティングを統括する。

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