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マーケティング用語集

ソーシャルコマース(Social Commerce)

ソーシャルコマースとは、「Social Commerce」のことで、InstagramやTikTokなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)とEC(電子商取引)を融合させた販売形態のことです。日本語でも「ソーシャルコマース」と呼ばれるのが一般的です。
ユーザーがSNSの投稿で商品を発見し、そのままアプリやサービスを離脱することなく購入までを完結できるシームレスな購買体験が最大の特徴です。消費者の購買行動が変化し、企業発信の情報よりもUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミが重視されるようになった現代において、顧客との接点を増やし、売上を拡大するための重要なマーケティング手法として注目されています。

ソーシャルコマースと従来のECの違い

ソーシャルコマースは、顧客との関係性や購買に至るプロセスにおいて、従来のECサイトとは大きく異なります。

■ ソーシャルコマース

・対象:SNSを利用する潜在顧客から既存顧客まで幅広い層
・購買プロセス:SNS上で「発見」し、そのまま「購入」まで完結します。衝動的な購買(パルス消費)を誘発しやすいです。
・情報源:友人・知人の投稿、インフルエンサーの推奨、UGC(口コミ)など、信頼性の高い第三者からの情報が中心となります。
・顧客との関係性:コメントや「いいね!」、ライブ配信などを通じて、企業と顧客が直接的かつ双方向のコミュニケーションを図ることができます。

■ 従来のEC

・対象:商品やブランドを認知し、購入意欲が比較的高い顕在顧客
・購買プロセス:検索エンジンや広告からECサイトへ流入し購入します。ページ間の移動が多く、離脱(カゴ落ち)が発生しやすい傾向にあります。
・情報源:企業が発信する公式情報や広告が中心です。
・顧客との関係性:基本的には企業から顧客への一方向の情報発信となり、コミュニケーションは問い合わせなどに限定されます。

ソーシャルコマースの主な種類とプラットフォーム

ソーシャルコマースは、活用するSNSプラットフォームの特性によってアプローチが異なります。自社の商材やターゲット顧客に合ったプラットフォームを選ぶことが成功の鍵です。

Instagram(インスタグラム)

ビジュアル訴求力が高く、アパレル、コスメ、食品、インテリアといった「世界観」が重要な商材と非常に相性が良いプラットフォームです。フィード投稿やストーリーズに商品タグを付け、タップするだけで商品詳細ページへ遷移させ、そのまま購入を促す「ショッピング機能(Shop Now)」が代表的な機能です。

TikTok(ティックトック)

ショート動画によるエンターテインメント性の高いコンテンツが中心で、特に若年層へのリーチ力に優れています。動画内で紹介した商品を直接購入できる「TikTok Shop」という仕組みがあり、トレンドに合わせた企画やインフルエンサーとのタイアップで衝動買いを喚起する活用法が効果的です。

Facebook(フェイスブック)

実名登録制のためユーザー情報の信頼性が高く、詳細なターゲティング広告との連携に強みを持ちます。Facebookページ内にオンラインストアを開設できる「Facebookショップ」機能があり、既存顧客との関係性を維持しながら、精度の高い広告配信で新規顧客へアプローチすることができます。

LINE(ライン)

国内で圧倒的なユーザー数を誇るコミュニケーションアプリです。LINE公式アカウントを通じて顧客と直接繋がり、メッセージ配信やクーポン配布でリピート購入を促進するのに適しています。LINEアプリ内で商品を購入できる「LINEショッピング」や、共同購入機能なども特徴です。

ソーシャルコマースの導入・活用ステップ

ソーシャルコマースを成功させるためには、計画的な導入と継続的な改善が不可欠です。

【Step 1】目的とKPIを明確にする

まず「なぜソーシャルコマースを導入するのか」という目的を明確にします。「新規顧客の獲得」「ブランド認知度の向上」「既存顧客のLTV向上」など、目的に応じて追うべきKPI(重要業績評価指標)も変わります。例えば、新規獲得が目的なら「ECサイトへの流入数」や「新規購入者数」、LTV向上なら「リピート率」や「UGCの投稿数」などがKPIとなります。

【Step 2】ターゲットとプラットフォームを選定する

自社のターゲット顧客(ペルソナ)が、どのSNSを、どのような目的で最も利用しているかを分析し、最適なプラットフォームを選定します。20代女性向けのアパレルであればInstagramやTikTok、40代以上のビジネスパーソン向け商材であればFacebookなど、ターゲットの生態に合わせた選択が重要です。

【Step 3】コンテンツ戦略と運用体制を構築する

単に商品を並べるだけでなく、顧客が「買いたい」と思うような魅力的なコンテンツ戦略を立てます。商品の使い方を紹介する動画、開発の裏側、お客様の声(UGC)の紹介、ライブ配信での質疑応答など、顧客とのエンゲージメントを高める企画が求められます。同時に、投稿作成、コメント返信、注文管理などを誰が担当するのか、運用体制を事前に構築しておくことが不可欠です。

【Step 4】効果測定と改善を繰り返す

各SNSが提供するインサイト(分析)機能を活用し、定期的に効果測定を行います。投稿ごとのエンゲージメント率、プロフィールへのアクセス数、ECサイトへのクリック数などの数値を分析し、「どのような投稿の反応が良いか」「どの時間帯の投稿が効果的か」といった仮説検証を繰り返しながら、コンテンツの質を改善していくことが成功への近道です。

まとめ

ソーシャルコマースは、単にSNSを新たな販売チャネルとして利用するだけの手法ではありません。その本質は、顧客との継続的なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、ブランドのファンを育てていくことにあります。消費者の購買行動が「検索」から「発見」へとシフトする中で、顧客とのエンゲージメントを深め、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための重要な戦略の一つです。

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