マーケティング用語集
標準偏差
分散の正の平方根のこと。データのバラツキを表す指標として用いられる。
たくさんの数量データを圧縮する
ある商品Aの1カ月購入量を100世帯について調査し、その結果をまとめるときに、その方法として、次のような度数分布で表現することが考えられる。

このデータを用いてグラフを描けば、購入量の多少による世帯数の分布、いわゆる度数分布型が視覚的にとらえられる。このとき、度数分布がどんな型であるかは次の3つの数値でおおよそ判断することができる。
1. 分布の中心の位置
2. 分布の広がりの度合い
3. 分布の左右の非対称度
標準偏差は、このうち「2. 分布の広がりの度合い」の指標として用いられる。
標準偏差
標準偏差は、以下の計算式で求めることができる。

実際に計算すると「標準偏差」=1.68となる。ではこの数字はいったい分布の広がりの「何を」「どのように」あらわしているのか。
標準偏差の具体的な意味
いま平均値の前後に標準偏差の幅をとって下限および上限とし、前項の数値で計算すると、
下限=3.15-1.68=約1.5
上限=3.15+1.68=約4.8
となる。すると上表の分布の広がりのうち「購入量2個~4個」の65世帯がこの範囲に入る。
ここであらためて、分布の形が異なる3つのケースの度数分布を架空データによって設定し、各ケースについて上のように平均値と標準偏差を計算し、さらに分布の下限上限を求めてその範囲に入るデータ数をカウントした。すると、各ケースそれぞれ66%、67%、69%のデータが入る。また、平均値から標準偏差の「2倍」をプラスマイナスした場合にも、同様にデータ数をカウントすると、以下のことがわかる。
平均値から標準偏差の範囲内
データの2/3が入る
平均値から標準偏差の2倍の範囲内
データの95%が入る
このように、標準偏差を用いることで、分布の中心から一定の範囲に全データのどの程度がおさまるのかを知ることができる。