マーケティング用語集
OOH(オーオーエイチ)
OOHとは、「Out of Home」の略称で、自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称です。日本語では「屋外広告」や「交通広告」と訳されることが多く、電車内の広告や駅のポスター、屋外の大型ビジョンなどが含まれます。
デジタル広告市場の飽和やCookie規制といった背景から、リアルな空間で消費者にリーチできるOOHの価値が再評価されています。株式会社電通が発表した「2023年 日本の広告費」によると、OOH市場は回復基調にあり、特にデジタルを活用したDOOH(デジタルOOH)が成長を牽引しています。
OOH広告の主な種類
OOH広告は多岐にわたりますが、主に以下の3つに大別されます。プランナー目線で「どんな目的・商材におすすめか」も合わせてご紹介します。
・交通広告
駅、電車、バス、タクシー、空港などで展開される広告です。特定の路線やエリアの利用者に反復して訴求できるため、ビジネスパーソン向けのSaaSツールや、エリアを限定した店舗への集客に適しています。
・屋外広告
街中のビル壁面や屋上の看板、大型ビジョンなどです。街のランドマークとして強いインパクトを与え、ブランドの認知度を飛躍的に高めたい新商品やサービスのローンチ時に有効です。
・その他
商業施設内のサイネージやイベントスペースでの広告、街頭サンプリングなど、特定の場所やシーンに特化した広告を指します。購買直前の消費者へのアプローチや、体験を通じた商品理解を促したい化粧品や飲料などの商材に向いています。
OOHとDOOHの違い
近年、OOHの中でも特に注目されているのが、デジタルサイネージを活用した「DOOH(Digital Out of Home)」です。従来のOOH(ここでは静的なポスターや看板を指します)とは特性が異なります。
OOH(従来型)
・表現方法:静止画(ポスター、看板など)が中心です。
・柔軟性:一度掲出すると、期間中の内容変更は困難です。
・適した目的:特定のエリアでの長期的なブランドイメージ構築や、店舗誘導に適しています。
DOOH(デジタルOOH)
・表現方法:動画やアニメーションなどリッチな表現が可能です。
・柔軟性:時間帯や天候、周辺の状況に合わせてリアルタイムにクリエイティブを変更できます。
・適した目的:Web広告との連携、時間帯を絞ったターゲットへの訴求、複数クリエイティブの配信などに適しています。
OOH広告の効果測定手法
かつては効果測定が難しいとされてきたOOHですが、テクノロジーの進化により、その効果を可視化する手法が確立されつつあります。
人流データ分析
広告媒体の周辺通行量を計測し、どのような属性(年代、性別、居住地など)の人が何人広告に接触した可能性があるか(インプレッション)を推計します。これにより、ターゲット層へのリーチ効率をデータで把握できます。
ジオターゲティング広告連携
OOH広告の掲出エリアにいたユーザーの位置情報データを活用し、後日そのユーザーのスマートフォンにWeb広告を配信する手法です。OOH接触後のWebサイト訪問や商品購入(コンバージョン)を計測することで、OOHがオンライン行動に与えた影響を測定します。
ブランドリフト調査
広告の掲出前後で、ターゲット層に対してブランドの認知度や好意度、購入意向などがどのように変化したかをアンケート調査で測定します。ブランドイメージ向上への貢献度を測る際に有効です。
来店計測
スマートフォンの位置情報データを基に、広告に接触した人が実際に店舗を訪れたかどうかを計測します。OOH広告が実店舗への送客にどれだけ貢献したかを直接的に評価できる手法です。
OOH広告を成功させるポイント
OOH広告の効果を最大化するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
オンライン施策との戦略的連携
OOHを単独の施策で終わらせず、デジタル施策と連携させることが成功の鍵です。例えば、OOHで認知を獲得し、ジオターゲティング広告で刈り取る、OOHで提示したキーワードで検索すると限定コンテンツが見られるようにするなど、オンラインへの導線を設計することで、効果測定の精度も高まります。
エリア特性とクリエイティブの融合
広告を掲出する場所の特性や、その場にいる人々のインサイトを深く理解し、それに合わせたクリエイティブを開発することが重要です。例えば、ビジネス街ではビジネスパーソンに響くメッセージを、若者の街では思わず写真を撮りたくなるようなインパクトのあるビジュアルを、といった使い分けが効果を高めます。
SNSでの拡散を意識した企画
OOHは、その公共性の高さからSNSでの拡散(UGC創出)と非常に相性が良いメディアです。ユニークな仕掛けや、参加型の企画、社会的なメッセージ性の強いクリエイティブは、見た人が写真や動画を撮ってシェアする可能性を高め、広告費だけでは得られない大きな話題化を期待できます。
まとめ
OOH広告は、デジタル時代の今だからこそ、リアルな顧客接点を創出する強力な手段としてその価値を増しています。OOHを単なる「看板」として捉えるのではなく、デジタルマーケティング戦略全体の中に組み込み、オンラインとオフラインを連携させる視点を持つことが重要です。
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