マーケティング用語集
因果分析法
いくつかのマーケティング要因の間に因果関係を想定したモデルを設けて、それが妥当であるかどうか、またそれぞれの関係の強弱の程度はどうかを明らかにする方法。
一般にそれらの要因は限りなく考えられるが、目的変数(たとえば売上)によく利く少数の要因を選ぶ。それでもある要因は他の要因の原因になったり結果になったりして、複雑な様相を呈することが多いので、アロー・ダイヤグラム(矢印による関係図)によって、モデルの形をある程度の主観的判断で描く。そのあとに、具体的にモデルの妥当性の検証を行い、またモデル式のパラメーターの推定を行うために「パス解析」などの手法を用いる。
解説
ここではパス解析の手法について紹介する。これはいくつかの変数の間に原因結果の関係をもった因果モデルを仮定したとき、その関係をパス(通路)で表して原因が結果に及ぼす影響を明らかにするもの。
たとえば変数x1、x2、yに次図のような因果関係があるとする。ただし、u、vは誤差を表す。
式中のa、c、dは「パス係数」と呼ばれ、重回帰分析における偏回帰係数として求められる。(1)式では、x1が原因でx2が結果を表しているが、(2)式ではx2が原因となりyは結果となって、いわゆる連鎖型のモデルになっている。一般的には変数間の関係は次のように分割される。
- 直接のパスによる直接効果(x1→y)
- 他の変数を介したバイパスによる間接効果(x1→x2→yによるx1とyの相関)
- 見かけだけの疑似相関(x1→x2、x1→yによるx2とyの相関)
この手法の適用に当たって大切なことは、ある程度の主観的判断であっても、変数間になんらかの因果関係が想定できること。従って、最初のモデル構築に当たっては、現状の分析および理論の裏付けによるサポートが必要となる。