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マーケティング用語集

アクイジション(Acquisition)

アクイジションとは、「Acquisition」の略称で、企業が事業成長のために、顧客・人材・企業などを新たに獲得することを指す言葉です。日本語では「獲得」「取得」「買収」などと訳されます。マーケティング分野では主に「新規顧客獲得」を指しますが、人事(採用)やM&A(企業買収)など、使われる文脈によって対象と目的が大きく異なります。

様々な文脈で使われるアクイジション

アクイジションは、対象とする「獲得するもの」によって、主に3つの文脈で使い分けられます。

マーケティングにおけるアクイジション(新規顧客獲得)

最も一般的に使われる意味で、自社の製品やサービスを新たに購入・利用してくれる顧客を獲得する活動全般を指します。Web広告の出稿、SEO(検索エンジン最適化)、コンテンツマーケティング、ウェビナー開催などが具体的な施策にあたります。ビジネスの成長の第一歩であり、あらゆるマーケティング活動の起点となります。

人事・採用におけるアクイジション(タレントアクイジション)

企業の将来的な成長を見据え、事業戦略に基づいて必要な人材を計画的に獲得していく採用手法です。従来の応募を待つ「リクルーティング」とは異なり、企業側から候補者へ積極的にアプローチする「攻めの採用」が特徴です。ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、採用ブランディングなどが含まれます。

M&Aにおけるアクイジション(企業買収)

M&A(Mergers and Acquisitions)の「A」にあたる言葉で、ある企業が他の企業の株式や事業を取得し、経営権を得ることを指します。新規事業への迅速な参入、事業規模の拡大、技術やノウハウの獲得などを目的に行われます。

アクイジションとリテンションの違い

ビジネスの成長を語る上で、アクイジションは「リテンション(Retention)」と対で語られることが多くあります。両者は顧客に対するアプローチのフェーズが異なります。

アクイジション(Acquisition)

対象:まだ顧客ではない「見込み顧客」や「潜在顧客」が対象です。
時間軸:顧客になるまでのアプローチを指します。
適したビジネス:事業の立ち上げ期や成長期において、まず顧客基盤を築くために最重要視されます。

リテンション(Retention)

対象:すでに取引のある「既存顧客」が対象です。
時間軸:顧客になった後の関係維持・育成を指します。
適したビジネス:顧客基盤が安定してきた成長期・成熟期において、LTV(顧客生涯価値)を最大化するために重要となります。

アクイジションコストの計算方法

マーケティング文脈でのアクイジション活動の効果を測る指標として「アクイジションコスト(顧客獲得単価、CPA)」が用いられます。基本的な計算式は以下の通りです。

アクイジションコスト(CPA) = 施策にかかった総コスト ÷ 新規獲得顧客数

コストに何を含めるかは、ビジネスモデルや施策によって異なります。

Web広告の場合

Web広告の運用における、最もシンプルな計算方法です。
CPA = 広告費用 ÷ コンバージョン数

BtoBマーケティングの場合

広告費だけでなく、展示会の出展費用や営業担当者の人件費、MA(マーケティングオートメーション)ツールの利用料など、顧客獲得に関わるあらゆる費用をコストに含めて算出することがあります。
CPA = (広告費 + 販促費 + 人件費 + ツール費など) ÷ 新規獲得顧客数

アクイジション施策の考え方と具体例

効果的なアクイジション施策を進めるためには、戦略的な視点が不可欠です。ここでは、施策の考え方と具体的な手法を解説します。

ターゲット(ペルソナ)を明確にする

アクイジションの最初のステップは「誰を獲得したいのか」を具体的に定義することです。年齢、性別、役職、抱えている課題などを詳細に設定したペルソナを描くことで、その後の施策の精度が大きく向上します。「誰にでも」アプローチする施策は、結果的に誰にも響かず、コストだけがかさんでしまうため注意が必要です。

チャネルを選定し、施策を実行する

ターゲットが明確になったら、彼らが最も利用するチャネル(媒体)を選んでアプローチします。例えば、BtoBであればビジネスSNS広告やホワイトペーパー施策、BtoCであればSNSのインフルエンサーマーケティングや動画広告などが考えられます。短期的な獲得を目指すならリスティング広告、中長期的な資産を築くならSEOやSNSアカウント運用など、時間軸も考慮して施策を組み合わせることが重要です。

KPIを設定し、効果測定と改善を行う

施策の実行後は、効果測定を継続的に行うことが重要です。アクイジションコスト(CPA)やコンバージョン率(CVR)などをKPI(重要業績評価指標)として設定し、定期的に数値を観測します。CPAの低さだけを追い求めると、結果的にLTV(顧客生涯価値)の低い顧客ばかりを集めてしまう可能性があります。獲得した顧客が、その後どれだけ自社の利益に貢献しているかという視点で評価することが求められます。

まとめ

アクイジションは、マーケティング、人事、M&Aという複数の文脈で使われる多義的な言葉ですが、その本質は事業成長のための新たな獲得活動にあります。特にマーケティングにおいては、誰をどのように獲得するかを定義し、LTVまで見据えて設計することが重要です。

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