マーケティング用語集
抽出方法
抽出方法とは、調査対象となる母集団の中から、一部のサンプルを調査対象として選び出すための方法です。適切な抽出方法を用いることで、限られたサンプルからでも母集団全体の傾向を正確に推測することが可能となります。
抽出方法の分類
抽出方法は、大きく無作為抽出法と有意抽出法の2つに分けられます。
1.無作為抽出法(確率抽出法)
母集団を構成する各要素が、無作為(ランダム)に調査対象として選ばれる方法です。これにより、統計学的に誤差を計算できるため、客観性が高く信頼性のあるデータを得られます。
主な手法には、以下のものがあります。
系統抽出法:名簿などのリストから、一定の間隔でサンプルを抽出する方法です。「等間隔抽出」とも呼ばれます。
多段抽出法:複数の段階に分けて抽出を行う方法です。例えば、まず市町村を抽出し、次にその中の地点、最後に世帯を抽出するといった手順で、対象者を訪問面接する際に、対象者が地点ごとにまとまっているため調査員の移動効率を高めます。
層別(層化)抽出法:母集団を性別や年齢などの属性でいくつかの「層」に分け、各層から母集団の構成比に合わせてサンプルを抽出する方法です。これにより、サンプルが母集団全体をより正確に反映します。
2.有意抽出法(非確率抽出法)
調査者の意図に基づいて調査対象を意図的に選び出す方法です。
調査会社が実施するインターネットリサーチは、モニターが自ら登録しているため、有意抽出法になります。無作為抽出法に比べて、圧倒的に時間やコストを抑えられるため、多くの調査で採用されていますが、母集団を反映していない点で統計的な信頼性が劣ります。
主な手法には、以下のものがあります。
典型法:企画者の主観的な判断に基づいて、全体を代表すると考えられる対象を慎重に選ぶ方法です。
割当法:性別や年代などの母集団の構成比と等しくなるように、サンプル数を事前に割り当てて抽出する方法です。